宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

星と政治と歴史認識
― 「従軍慰安婦」発言と今夏 ―

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橋下氏の先の「従軍慰安婦発言」は、一部、国際問題化しました。
この発言は、昨今の星のディレクションがみごとに現われたものでした。
2013年夏は、トップの資質を見抜くには、いい機会になります。

今年2013年夏場のディレクションの両極化と対策

↑ 大統領を解任し憲法を停止、事実上のクーデターによって暫定大統領を立てたエジプト軍の暑い夏。


●第1稿 : 2013年 7月 9日

2013年の星のディレクションにかかわる「政治と歴史認識」をお届けいたします。
このディレクションは、半分は「正しく」、半分は重大な「錯誤」を生みます。
それは、いずれの方向にも大きく両極端にも動きやすいので、半端な知識では対処できません。当然、注意が必要になります。
このディレクションの期間中は、軽挙妄動せずに、流れに任せていくのも一つの対処法です。

《 参議院選挙予測 》

最初に、2013年の星の配置を簡単にご紹介します。
6月26日に木星が蟹宮に入宮しました。
その直前の22日頃、木星は蠍宮5度の土星、魚宮5度の海王星と大三角(グランド・トライン=120度×3)を形成しはじめています。
この大三角(120度×3)は、8月16日前後まで続きます。
これだけでも「政治と歴史認識」は、虚実を交えて錯綜しやすいことが分かります。
今月7月13日になると、この大三角(120度×3)の木星の位置に火星が加わり、直後には、木星や火星を頂点にして山羊宮の冥王星が尻尾となり、つまり衝(オポジション=180度)をとって、土星、海王星、冥王星との間に、トライン・カイト(60・60・120・120)を形成します。
星の配置が、ちょうど西洋凧(カイト)のようになるために、トライン・カイトといいます。
西洋占星術師は単純に「カイト」と呼ぶ人が多いようですが、別にヨッド・カイトというアスペクト・パターンもありますので、正しくは「トライン・カイト」です。
ちなみに、火星が加わることによって、幾分なりとも事件や事故が起こりやすくなりますし、同時にこのアスペクト・パターンにおいては、多少なりとも激化しやすくなりますので、この数週間は注意が必要になります。
昨年2012年10月6日に正式に始まった「組織運営変革の深化」のディレクションは、日本の「アベノミクス」や、すでに動きだしているエジプト軍の「実質的なクーデター」もそうですが、この7月以降も、さらに試行錯誤や激しさを増しつつ、国際政治や経済や社会を舞台に、大きく動いていきます。
日本の参議院選挙も、この期間中の7月21日(日)に投開票日を迎えます。
気になる方のために、星のディレクションからみた「結果予測」を簡単にお伝えしておきます。
国民は、去る6月23日(日)に行なわれた「東京都議会議員選挙」に似た判断を下します。
「一発大逆転」や「両極端」を象わす星が働きますので、どちらの結果が出るにしても「大勝」と「大敗」の要素が現われてきます。
ひねくれた見方をする人はともかく、大半の予想や下馬評どおりなので、正直、わざわざ1ページを立てて解説をするほどでもありません。

One-Point ◆ 今年2013年の夏場に、国際政治が動いたあとは、早ければ今年2013年の年末から、来年2014年の1月前後は、国際社会の緊張や緊迫の度合いが増すことになります。三すくみや四すくみで動きづらい状況も起こりえますが、一触即発の状態や緊急事態に対しても、念のために備えなければなりません。「組織運営変革の深化」のいわば最初の本番です。


参考:2013年夏場のホロスコープ

●今年2013年夏場の主な星の配置。
蟹宮の火星(下、黒色)は、一時的に木星と合(0度)をとっていきます。
牡羊宮の天王星(左、黒色)は、本文に関係なく参考に記したものです。
いずれも度数は省略しました。

《 時代の転換期の現在 》

一般に、歴史の流れの中に身を置いていると、その動きを感じにくくなります。
ちょうど水からお湯へと次第に茹でられて、気づかないうちに昇天していくカエルに似ています。
日常生活そのものが歴史なので「通常」なのです。
のちに、「組織運営変革の深化」のディレクションが終わり、結果が定まったころになって往事を振り返ってみると、実は大きく歴史が動いていた時代に身を置いていたことに気づきます。
現在、人類歴史はゆるやかながらも大きな歴史的転回をみせており、さほど変わっていないように見えても、日本もアメリカも、中国も韓国も、いわば「革命前夜」に似た様相を呈しているといっても過言ではありません。
その方向性は「日本は何座宮?」などに書いたように、国家が持つ3つほどの象意によって、受ける星のディレクションは変わってきます。
その詳細は、機会をみて述べる予定です。
21世紀は、先の「世界大戦」のように戦争が歴史の動きではないのです。
むしろ、今後は「精神意識」が重要になってきます。
いわば古い概念では「心理戦」や「世論戦」だといえますが、本質は、どういった「精神」や「国家ポリシー」を持つかということが重要になってきます。
いずれにしても、これまでと同じということではない方向に「組織運営の変革」が進みます。
「政治と歴史認識」も、これにかかわります。
往事は、当たり前に行なわれていたことでも、50年、100年経ってみると、平常とはいえないことが当然生じます。
とくに1989年「宝瓶宮時代のビックバン」以降は、それが顕著です。
それまでの約2,000年間、人類文化歴史を導いてきた双魚宮時代の「歴史パラダイム」が終わり、今後、約2,000年間続く新しい「歴史パラダイム」による宝瓶宮時代がはじまったからです。
それに伴い、倫理観や価値観はもちろん、個々の関係性が大きく変わりはじめています。
簡単にいうと「支配・被支配」の社会から、「共鳴関係」の社会へと変わります。
もっと平たくいえば、既存の概念では「自由・平等・博愛(和、対話)」を旨とした人類社会への転換です。
ちなみに、古い双魚宮時代の概念のまま「自由・平等・博愛(同胞愛)」ととらえると間違います。
このような時代変化により、一部、国際問題化したのが、橋下大阪市長の「従軍慰安婦問題」に関連する発言でした。

One-Point ◆ 「従軍慰安婦」を、一括りにとらえると間違います。魚宮の民族性を持つ日本人は、一括りにして「従軍慰安婦問題」をとらえがちですが、その良し悪しはともかく、茫漠とした象意を持つ「海王星」のように広い見方ではなく、シビアな誤魔化すことのできない現実をふまえた「土星」の象意も含めて、国による現実の違いや、歴史という時間差の違いの一つひとつをふまえて、細かく個別に分析したうえで、着実に「人情的」かつ「倫理的」かつ「政治的」に分けて、これまた一つひとつ相手に対して対処しないと間違います。


参考:橋下発言時のホロスコープ

●2013年5月13日の橋下氏の「従軍慰安婦発言」のときに、橋下氏の太陽(赤色)にディレクションを投げかけていた主な星。
双子宮の木星と火星(両方とも黒色)は、参考に記したものです。
いずれも度数は省略しました。

《 従軍慰安婦発言 》

橋下氏は、蟹宮6度の太陽を生まれ持ちます。
これは、昨今の星の動きからいえば、人々に先駆けて今夏場のディレクションを受けたことを意味します。
具体的には、「海王星」と「土星」の三分(120度)のディレクションのみならず、「冥王星」の衝(180度)のディレクションです(左図)。
ですから今後、橋下氏のように半分は「正しく」、半分は我知らず重大な「錯誤」をして大きな問題を引き起こしていく言動を、単純にいえば、より多くの人々がとりやすくなります。
なぜなら、橋下氏の太陽の位置を今後、「木星」がトランシット(運行、経過)していくためです(左上図)。
もちろん、木星の合(0度)を太陽に受ける橋下氏は、安易に軽挙妄動しないように注意が必要なのですが、幸い、先駆けて「従軍慰安婦問題」の洗礼を受けましたので、頭のいい彼であれば、同じ過ちは繰り返さないはずです。
「海王星」のディレクションは良し悪しにかかわらず、どこか「現実離れ」します。
しかし「土星」のディレクションによって、ちゃんと正しい現実に即した判断や対応をしていければ問題はありません。
むしろ、そうであるほうが、現実の上に立って、「善意」や「理想主義」や「国家ビジョン」や「グランド・デザイン」を描くなど、「現実離れ」した海王星の象意を良いほうに活かせることになります。
一般に、経験豊富な専門分野であれば、知識も見識も実力もあり、現実的な判断ができますのでそうなります。
しかし、橋下氏の場合、弁護士出身の政治家ということからいって、「法律」や「行政」に関しては見識も実力も備えたプロですが、「国際政治」や「外交」や「歴史」に関しては、まだ勉強と経験が必要です。
「従軍慰安婦発言」は、そこにかかわるので、問題に発展したものです。
「憂国の想い」があったとしても、公人の立場では慎重を要します。
なぜ、彼が勢い余って「従軍慰安婦問題」以外の余計な発言をしたのかというと、ここ数年来、彼には自分の考えに基づいて人々に影響を与え、世の中を変革していこうとする「冥王星」のディレクションが働いているためです。

One-Point ◆ 彼が弁護士から大阪府知事に転進したのも、この冥王星のディレクションを受けはじめてまもなくの2008年でした。 ちょうど冥王星が山羊宮に入宮した年です。彼は、持ち前の法律知識によって、法によって運営される「行政」には本領を発揮できますが、まだ若いために、海王星のディレクションを充分に使いこなすには至っていません。本来、口にするには慎重にしなければならない「尖閣問題」や「従軍慰安婦」など国際外交に関して公言するには、もう少し経験や見識が必要です。


大手マスコミにかの国が侵蝕

●日本やアメリカは、「言論の自由」の国です。
それを利用して、かの国の意図を受けた人々が、「国営放送」はもちろん「東京キー局」や「大手マスコミ」の中に入り込んで、世論誘導を図ろうとしているのは当然です。
最近、とくにその傾向が顕著にみられます。
韓国は昔からそうですし、日本でもアメリカでも、一部とはいえ、そういった「心理戦」や「世論戦」の影響が目立ってきています。
その手が伸びた番組や解説から、良識派の人々が締め出されたりしているのです。
もはや、マスコミが自浄できずに偏向しつつある以上、国民がネットに自由や言論を求めるのは当然です。
俗にいう「ネトウヨ」が広がるのは、案外とこのような背景があるのかもしれません。
将来は分かりませんが、今のところ、かの国の影響が強い沖縄のマスコミを除いては、「地方ローカル局」のほうが、まだ健全で、比較的影響は少ないようです。

《 アメリカとの違い 》

ついでなので、少し「従軍慰安婦問題」に触れておきます。
橋下氏の「従軍慰安婦」発言そのものは、他国にかかわる意図ある人々が紛れ込んでいる「東京キー局」や「大手新聞」などのマスコミや、それに組する一部の識者やコメンティターらによる偏向した「ニュース」や「解説」はともかく、日本国内の良識ある大衆からは、ほぼ「問題なし」という判断を受けました。
彼が間違ったのは、「従軍慰安婦」発言そのものではなく、彼も謝罪したとおり、アメリカに対して「侮辱」したことです。
現在のアメリカは、「買売春」は完全な違法で、重大な「人権侵害」にあたります。
日本の風俗文化や考え(法運用)とは異なるのです。
にもかかわらず、沖縄米軍司令官に「もっと風俗を活用してほしい」と言ったので、当然のように大問題になったわけです。
アメリカでは「従軍慰安婦」は、もはや「強制連行」の有無にかかわらず、また当時、必要かどうかにも関係なく、事実そのものが認めることのできない「人権侵害」というスタンスを持ちます。
日本とはスタンスが異なるために、相互に理解しておかなければなりません。
それとは別に、頭を切り替えて判断し、対処しなければならない歴史的「従軍慰安婦問題」が、一部「外国人」との間にあるので、現実は複雑なのです。
一部「外国人」というのは、かつて日本軍(国)によって「強制連行」され「性奴隷」にされたから、日本は賠償金を支払えという主張をする「元従軍慰安婦」なる人々に代表される人々のことです。
それに対して日本は、事実に即して異なるし、すでに日韓基本条約において政治的に解決済みというのが公式見解です。
一部「外国人」の主張がヘンなことは、もはや、いくらお人好しの日本人でも、特別な政治思想を持った人でないかぎり、多くの人が知っています。
当然、当該「外国人」の中にも知っている人はいるし、左翼的抗日歴史教育ではなく、正しい歴史認識に戻そうとする動きが当該国にないわけでもありません。
ただ、あのお国は「職業的抗日家」が成り立ちます。
また、「抗日活動」に公式に反対意見でも述べようものなら、全員ではないものの国やマスコミを挙げての感でふくろだたきに遭うことが実際に起こります。
それで仕事を干された良識家もいるほどです。
それどころか、彼らが気づいていない問題は、「抗日」であれば「犯罪者」や「テロリスト」が「英雄」と称えられ、国家から報奨金まで支給される国柄にあることです。
事実、現大統領(2013.07現在)までもが、それを公然と他国に対して公言し、賛意を求める「前近代的な国家」といった部分があります。
それを自国民が求めているからと判断したのであれば…選んだ国民も国民なら、トップもトップといった社会的見識はもちろん、歴史的認識が疑われます。

One-Point ◆ もっとも重要なことは、従軍慰安婦問題が「外交カード」になっていることです。それこそ「さまざま」な手段を使ってアメリカでロビー活動を展開し、アメリカが「人権問題」としてとらえていることを利用し、自国の有利なように持ち込んでいくわけです。さまざまな側面を持つ「従軍慰安婦問題」に関しては、相手を選んで「強制連行」の有無を広めるのはもちろん、それ以上に、相手の「土俵」にはまることなく、それを超えて、未来に目を向けた大きな「土俵」を形成していくことが必要です。

《 2013年夏場の対策 》

橋下発言が、半分は「正しく」、半分は重大な「錯誤」を生み、大事にいたった一例ということがお分かりでしょうか。
橋下氏は、その太陽の位置から、すでに5月13日の「従軍慰安婦」に関する発言の時点で、今夏の星のディレクションを先駆けて受けていたのです。
橋下氏のその太陽の位置を、今月7月以降は、木星がトランシット(運行、経過)していきます。
他のページと重複して何度も書きますが、木星を含め星は、いっさい「吉凶」には関係ありません。
木星が必ず「大吉星」として働くとはかぎらないのです。
むしろ事件や事故など、社会問題や国際問題では、大事故や大問題に発展するなど、重大化して働く方向の象意を持ちます。
橋下氏に先駆けて働いた星のディレクションが、7月以降は多くの人に働く可能性が出てきますので、注意が必要なのです。
そのため、事件や事故、たとえば重篤な「テロ」や「航空機事故」に気をつけるのはもちろんのことです。
それ以上に身近なところで、専門分野以外の言動は、いつでも両極端に問題化していきやすくなります。
知識だけではなく、本当に見識や実力があって、多方面の現実や事情を把握したうえで、判断しなければ、軽々しく公式に言動するのはもちろんのこと、安易な軽挙妄動は今後しばらく、避けたほうがよいということです。
付け加えておきますと、昨今のように物事が複合的に共鳴する社会状況の中においては、「専門家」こそ視野が狭く、全体的な現実判断に欠けていたりして、理屈は合っていても間違うことが起こります。
たとえば、バラエティーやお笑い番組としては、「ホンマでっか○○」は成り立ちますが、「専門家」が語っているから実際に正しいと判断できるかどうかは別問題です。
むしろ、お笑い芸人ならぬ、素人「専門家芸人」によるバラエティー的お笑い番組だとみておいたほうがよさそうです。
それはともかくとして、今年2013年夏場のディレクションは、いずれの方向にも両極端に大きく問題化しやすく、「組織運営変革の深化」のディレクションにも一石を投じていきそうです。

One-Point ◆ ちなみに個々人においては、どのようにされても皆様のご自由です。問題が生じることが必ずしも悪いわけではありません。ただ、今夏は予想外の事態にもなりやすいので、そこは了承されるなり、万一の場合の覚悟は必要です。国内的にも国際的にも、事態は大きくなりやすく、「政治力」といわれる高い見識や判断力が必要とされるディレクションに入りますので、そういったトップクラスの人々が、高い見識と実力を備えた本物かどうかを見抜いていくにはよい時期です。



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