宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

基礎理論の必要性
―イントロダクション―

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西洋占星術の最大の問題は、「基礎理論」を見失っていることです。
それは致命的な隠された欠陥なのですが、全く気づいていません。
いえ、「基礎理論」の必要性さえも感じないほどマヒしているのかもしれません。

「信じる」西洋占星術と、「なぜ」を問う宝瓶宮占星学

●第1稿 : 2006年04月20日アップ
●第2稿 : 2008年04月27日アップ
●改訂稿 : 2022年01月19日アップ

「研究家」という名の「信者」

●「占星術研究家」という人がいます。いったい何を研究しているのでしょうか? 彼らは西洋占星術の「信者」にすぎません。
そういうと「いや、信じていない、研究している!」というかもしれません。 では、おたずねしましょう。
サイン(宮)は、なぜ12なのですか? 「黄道12星座だから…」
それは逆です。 それなら13星座占いが正しくなります。 基礎研究がないまま、当たると信じて表面上の解釈を研究する、それは「信者」の態度です。

先に述べた自存波仮説―存在・共鳴作用は、宝瓶宮占星学の基礎理論ではなく、存在の基本についての超科学的な仮説です。

いくら占星学の説明をしても、「宇宙の星の位置から、なぜ人間のことが分かるのか?」という大前提を説明できなければ、理屈がとおらないでしょ?

《 西洋占星術との根本的な違い 》

宝瓶宮占星学が、今の西洋占星術と決定的に異なるのが、「基礎理論」があるかないか、ということです。
「今の…」というのは、古代ギリシャ時代の古典占星術には、曲がりなりにも「基礎理論」と呼べるものがあったのです。
かといって、その基礎理論を今、持ち出せば、「何、言ってんの?」というレベルなので、誰も持ち出す人がいないし、すでに立ち消えて、ほとんど伝えられていないのです。

さて、「宇宙の星の位置から、なぜ人間のことが分かるのか?」ということに関しては、誰も説明できていません。

また、「なぜ、そういう解釈になるの?」と問うたとき、明確に答えられないのが西洋占星術です。そんなバカな話があります?

にもかかわらず、星の象意やサイン(宮)やハウス(室)やアスペクト(位相や座相)などの解釈を「ああだ、こうだ」と議論百出、論じ合っているのです。

おかしいでしょ?

そういったベースの「基礎理論」がないまま、うわべの解釈やノウハウを論じても…。

ヒドイのは、「星座の神話」を解釈の根拠に持ち出す心理占星学研究家さえいます。

架空のお話であるギリシャ神話が、現実をみる西洋占星術(占星学)の解釈と何の関係があるの? ということです。

とても、まともな知性を持った現代人の姿とは思えません。

そこに「ユング心理学」を西洋占星術の基礎にしようとしても、本末転倒なのは明白なので、そのお粗末さに笑うしかないのです。

One-Point ◆ 双魚宮(魚宮)と、宝瓶宮(水瓶宮)の違いが、ここにあります。どちらも神秘的な出来事に興味を持ちやすいのですが、魚宮(西洋占星術)が純粋にそのまま受け入れて信じてしまうのに対して、水瓶宮(宝瓶宮占星学)は、「どうして?」と、ない頭を絞って解明しようとします。単純にいえば、前者は信者のタイプであり、後者は超科学者のタイプです。

ギリシャ時代の四元素

●ギリシャ時代、世界は四つの元素から成り立っていると考えられていました。まず、大地「地」があります。
その上を「水」が流れます。その上に「風」が吹き、「火」は空に上っていく(太陽になる?)というものです。
そういった前科学的な理屈が、西洋占星術の四元素(要素)として、いまだに使われているのです。
《参考》
火=牡羊宮・獅子宮・射手宮
地=牡牛宮・乙女宮・山羊宮
風=双子宮・天秤宮・水瓶宮
水=蟹宮・蠍宮・魚宮

《 「西洋占星術」の特長と弱点 》

もう少し補足しておきましょう。

双魚宮(魚宮=海王星)には、理論・理屈を超えて、直感的に物事の本質を突いてしまう優れた特性があります。

どういうことかというと、「地・水・風・火」など、おおよそのヒントがあって、自分の直感と現実の結果がある程度の整合性さえとれれば、真実に近い結論を出してしまう超論理的な特性をもっているのです。

今日の西洋占星術は、そういうことを積み重ねながら解釈を深めてきたのです。まるで、時空を超えて宇宙空間をワープするようなものです。

しかし、混乱に遭遇し直感が働かなくなってしまうと、思考の停止や、的外れの思い込みを引き起こしてしまうのも魚宮の特性(弱点)です。

それが昨今の西洋占星術の現状です。

原因は、西洋占星術にインスピレーションを与えてきた双魚宮時代が終わり、共鳴に基づく新しい宝瓶宮時代が始まったからです。

One-Point ◆ 西洋占星術で用いる「地・水・風・火」の四分類は、ギリシャ時代の旧い考えです。世界はすべて「地」「水」「風」「火」の四元素から成り立っているとされていました。現在では、元素記号1「水素」にはじまり、118の「ウンウンオクチウム(仮)」まで元素は明らかになっています。いまだにギリシャ時代の四元素(要素)を用いて疑いもせず解釈を展開しているのは、やっぱりヘンなのです。

太陽系の惑星の大きさ比較

●上の動画は、太陽系の惑星の大きさを比較したものです。
太陽は、とてつもなく巨大な火の玉であることがお分かりでしょう。他の惑星の大きさも、地球に比べるとその大きさがご理解できると思います。
人間心理がいくら不可思議でも、大宇宙はさらに果てなく巨大なシステムを持っているのです。

《 本末転倒のユング心理学との結合 》

西洋占星術が最も混乱している例は、ユング心理学との結合です。

日本でも著名な占星術師の多くが、ユング心理学に基づいた解釈を展開しています。

おかしいのです。

心理学で星を解釈するなんて…。

「人間の心理が、どれほど宇宙の星に影響を及ぼすねん?」って感じです。

地球から見れば、ゴマ粒ほどに見える星ですが、実体は人間よりもはるかに大きいのは衆知のとおりです。

心理学の解釈程度で、大宇宙の星の影響力が判断できるほど、軟弱な宇宙存在ではありません。

まったくの逆なのです。

宇宙の生成、またその存在様相、そして秩序・法則に基づく星の運行といったものから、人間の心理や人類歴史の動向が読み取れるのです。

それが占星学の基本スタンスでしょ?

それゆえ、皆様は、宇宙や星の位置を表すホロスコープを作成し、座相などその意味を読み取ることによって、人間心理に与える影響や、人間社会に及ぼす影響力を解明しているのでしょ?

だったら、素直に宇宙の存在様相を参考にした解釈を展開すればよいのです。

けっして、人間の心理や潜在意識が、宇宙の星々のありようを象わしているわけではありませんよね?

それなのに、なぜユング心理学をもって、西洋占星術を解釈する根拠にしようとするのでしょうか?

One-Point ◆ 考えてみれば、誰でも気づく簡単な道理なのです。気まま勝手な人間心理から宇宙が生成したのではありません。宇宙に根本法則があって、地球や人間が誕生したのです。そういう基本的な判断ができないのは、「西洋占星術信仰」に陥っているからです。意識していなくても西洋占星術を神かのように信じて、まるで人間や宇宙を従わせるかのように解釈を深めれば「当たる」と信じ込んでいるのです。現実に目覚めなければなりません。

12星座は占星学とは無関係

●星座は、地上から見える目立った星をつなげて、人間がかってにつくったものです。宇宙に本来、おひつじ座とか、おうし座とか、ふたご座といった区分があるわけではありません。
星座とサイン(宮)は無関係です。ですから12サイン(宮)の名前は、1stサインでも、弥生宮でも、白亜宮でも、何でもいいのです。
なまじ星座の名前を流用したばかりに、現代では、春分点の移動によって、天体の「おひつじ座」と占星学の「牡羊宮」は30度近くも離れてしまいました。
あと1万年も経てば、正反対の位置になります。それでも「牡羊座」などと呼ぶのでしょうか?

《 基礎理論の概要を簡単にご紹介 》

以上のことは、ふつうに常識的な現代人ならご理解できるはずです。

西洋占星術に対して問題点を指摘できるということは、占星学の根本に関わる「基礎理論」があるからだとご理解できますでしょうか?

西洋占星術に対する単なる非難から書いているのではありません。

混迷する西洋占星術の現状を知ったときに、その根本の問題点が見えて、その理由が星の配置からも解明できたからこそ書いているのです。
時代は変わりました。

西洋占星術の時代は、もう終わったのです。

これからは宝瓶宮時代の新しい西洋占星術=「宝瓶宮占星学」(ほうへいきゅう・せんせいがく)が築かれていく時代を迎えたのです。

では、宝瓶宮占星学の「基礎理論」の概要のみを簡単にご紹介いたします。


【数理法則】
宇宙の生成や存在法則には、「数理」があります。
難しい数字ではありません。単純に原則化できるからこそ、「法則」になります。
これによって全体を象わす抽象数12数が明らかになります。そこから12サイン(宮)や12ハウス(室)が成り立つのです。
抽象数1にはじまる宇宙すべての存在や法則の基本数は、3数です。
そして、順次12数まで展開されます。ここに各サインやハウスをはじめ、コンジャンクション(合=0度)などのメジャーアクペクト(主な位相や座相)の意味が明らかになります。
下のOne-Pointは、別サイトに書いた「宇宙森羅の存在様相は12数」をそのまま転載したものです。
参考になるか分かりませんが、「13星座占い」の13分類は、宇宙の存在様相と合わないため間違い、ということを説明するための記述です。

One-Point ◆ 「宇宙の存在様相、象徴は、なぜ12数なのかというお話です。
宇宙は、抽象数1に始まり、自分以外の存在のためには、2という対象概念が必要です。
それが概念でなく、実在するためには、三次元として3が必要になります。
このタテ・ヨコ・奥行き(X軸・Y軸・Z軸)の3軸に、それぞれプラスの方向と、マイナスの方向があるため、6という数字が最小存在数になります。
ところが、これだけでは連続性がないため、6を再び抽象数1として、2の対象概念を考慮した12数によって、永遠に繰り返して存在することが可能になります。(…中略…)
このように、宇宙の森羅万象や人生は、最小12数によって表現することが可能です。
東西の多くの占術が、宇宙の存在様相と同じ12数を用いて分類しているのはこのためです。」

※「数理法則」の本質には触れていませんが、宇宙森羅を象わすには、12数が最低限の抽象数として必要だということです。


【配列法則(序列秩序)】
占星学(術)は、大宇宙や太陽系の星の配置を読み解いて、人間や社会に対する影響を解き明かすというのが基本スタンスである、ということに異論はないでしょう。
であれば、素直に大宇宙の生成や存在様相を認め、それをヒントに、人間や社会に対する象意原則を読み取るのが当たり前ではないでしょうか?
難しいことではありません。
また、宇宙意志(時間=参照「宝瓶宮占星学―4.フレームワーク/ホロスコープの三要素と時間軸」)をも考慮に入れた宇宙生成の序列や法則を知れば、それがそのまま占星学(術)の象意と重なるのです。
そのことを知れば、サイン(宮)などの本意が明らかになります。
本意が明らかになれば、象意やその微妙な違いが明らかになります。
たとえば、同じ「宗教」でも、射手宮に属する「宗教」の象意と、魚宮に属する「宗教」の象意の違いが明確になります。「理想」でも、水瓶宮に属する「理想」と、魚宮に属する「理想」の違いがハッキリします。
「配列法則」によってサイン(宮)やハウス(室)だけでなく、星が本当はどういう本意を持つのかも見えてきます。
そういうことが分かれば、占星術のテキストに書かれた、数々の象意の単語にまどわされることなく、実感的に正しい象意そのものを理解できるようになります。

One-Point ◆ 一つだけ簡単な例を挙げましょうか…。魚宮は主星が「海王星」で副星が「木星」なのはご存じでしょう。一方、水瓶宮は「天王星」と「土星」です。これは星の配列とともに、ガスを中心とした木星型惑星の中でも、天王星と土星にはハッキリと輪があるのに対し、海王星と木星にはない(わずか)という共通性があるからです。そういったことも宇宙の配列や存在様相から見えてくるということです。


【フレームワーク】
占星学(術)によって、どこまで人間や人間社会の実相を読み取れるのか、という枠組みのことです。
実践的にいえば、ホロスコープ・チャートを現実的に正しく読み解くには、どういう観点からの考察が必要かということです。
個人のホロスコープ(出生天球図=生まれた時の星の配置)一つを読み解けば、その人の人生が分かるほど、西洋占星術は万能ではありません。
西洋占星術は、どういう分野に対してより有効なのか。その影響の仕方や範囲はどうなのか?
また、どういう分野に対してはあまり有効でないのか、有効だとすれば、どういう解釈方法でどこまでなのか?
こういったことを明確に理解しないと、現実に即した実占はできません。
人類の営みに対して、占星学(術)はどこまでリーディングできるのか、また人間個々人の性格や運勢に対しては、どこまでどういう形で影響力をリーディングできるのか、そういった読み取れる範囲を明らかにしなければ、正しいリーディングができません。
その枠組みとなるのが「フレームワーク」です。

One-Point ◆ 宇宙に意志(法則)があるように、人間個々人にも意志があります。そういったさまざまな意志が絡み合って、人類歴史や個々人の運勢が築かれています。
これらの相互作用は、時代という「時間」や、パートナーや組織・国家・世界という「空間」や、自分の意志や成長度という「人間」の三軸によって行なわれています。
その関係性によって現実の結果は異なってきます。
ですから「フレームワーク」によって占星学(術)の適用範囲を理解することが、ホロスコープの正しいリーディングには不可避です。

※「フレームワーク」は、先に述べた「数理法則」の基本数3数によって明らかになります。
「数理法則」「配列法則」「フレームワーク」は、無関係ではないからです。


【補足】
物事には必ず「例外」ともいうべき出来事があります。
それがまた宇宙の存在様相や法則の一つでもあります。
ですから、すべてを杓子定規に原理原則どおりにあてはめて判断することはできません。
この「例外」ゆえに、生物学においては「突然変異」が起こり、進化が可能になってきたからです。
この「例外」ともいうべき出来事がなければ、発展や成長や進化がないのもまた、宇宙の法則です。宇宙自体が、ビッグバンという「突然変異」によって生まれてきたのですから…。
仮に、この「例外」を「ビックバン法則」と名付けることにしていますが、必ずしも目に見える形で起こるとはかぎりません。
個人的には、「自存波の共鳴の大干渉」によって、突然(あらかじめ予定された時期)に起こると考えています。

One-Point ◆ 人間の知恵や知りえた理屈だけで物事を推し図ったり、ホロスコープを解釈すると、時には無理が生じます。そういうことも理解して判断することが必要です。思い込みをなくしてフラットで穏やかな想いで臨めば、人間の心は、自存波やその付帯現象を察知できる可能性が高くなります。「例外」は、そうして感知されやすくなるでしょう。

※宝瓶宮占星学「基礎理論」の紹介そのものは、時宜をみて述べる予定です。




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