宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
●第1稿 : 2006年 2月 1日アップ
●改訂稿 : 2022年 3月28日アップ
●トランスサタニアンとは、土星の外を回る天王星・海王星・冥王星のことです。
土星外惑星(トランスサタニアン)のことです。
これらの発見は、宝瓶宮時代の前触れであり、また双魚宮時代のアストロロジーの終焉と、宝瓶宮時代の新しいアストロロジーの揺籃(ようらん)を意味していました。
ちなみに、土星外惑星(トランスサタニアン)は、個々人の運勢はもちろん、時代や社会的な出来事に大きな影響力を与える重要な星です。
天王星をはじめとする土星外惑星(トランスサタニアン)の発見は、古典西洋占星術に新しい展開をもたらしました。
それはオカルトチックな現代占星術への変容であると同時に、宝瓶宮時代(ほうへいきゅう じだい)の新しいアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)への序章でもあったのです。
1781年、水瓶宮(宝瓶宮)の共鳴星・天王星がハーシェルにより、太陽系の惑星として発見されました。
アメリカ独立戦争が終盤に差しかかった最中です。
同年、ピューリタン(キリスト教プロテスタント=清教徒)の新大陸(アメリカ大陸)移民による独立をめぐるヨークタウンの戦いが起こります。
この戦いで、移民元のイギリスに勝利したアメリカは、実質的な独立を達成しました。
翌1782年、イギリスが独立を承認したパリ条約が結ばれています。
同時代(18世紀末)、旧大陸ヨーロッパでも、「自由・平等・博愛」を掲げ、フランス革命が起こります。
今日、世界人類の自由を標榜するアメリカや「自由・平等・博愛」の普遍的精神は、まさに水瓶宮の象意といえるものです。
One-Point ◆ これらの出来事は、宝瓶宮時代の影響が「社会改革」として現れたことを教えてくれます。約2,160年前の双魚宮時代(そうぎょきゅう じだい)の訪れは、魚宮(双魚宮)の象意にふさわしく、“思想”や“宗教”といった非現実的な観念として登場しました。今日、宝瓶宮時代の訪れは、水瓶宮(宝瓶宮)の象意にのっとって、個人の自由や世界的な友愛精神に基づく“社会改革”として現われてきたのです。
●エイブラハム・リンカーン米大統領
歴代アメリカ大統領の中で、最も尊敬されているのは、第16代エイブラハム・リンカーン大統領です。
彼は、1862年、南北戦争中に「奴隷解放宣言」を発し、翌年1月本宣言を行ないました。
この年の11月、ゲティスバーグの国立墓地献納式典で行われた有名な演説が、「国民ための、国民による、国民主権の政治」(government of the people, by the people, for the people)です。
現代の私たちの主権在民の自由民主主義の立場からみれば、ごく当たり前の内容ですが、それまでは当たり前ではなかったのです。
黒人は奴隷となり、自由はなく、人々に主権があるとも言えず、権利の平等もありませんでした。
わずか150年ほど前のことです。
日本でいえば江戸時代後期にあたります。
日本でも、この数十年後、明治維新が起こり「士農工商」の身分制度が廃止されました。
これらは、宝瓶宮時代のキーワードである、人を分け隔てしない「世界的な友愛精神(平等)」によるものです。
リンカーンの誕生日が2月12日(水瓶宮)であることも象徴的でした。
One-Point ◆ 教科書では、「人民の、人民による、人民のための政治」と訳されますが、「人民」は、共産思想的な表現に近く、アメリカゆえ「国民」がふさわしいでしょう。また、英文は最初が重要です。最初の文節が「government of the people,…」ですから、日本語では「国民の(所有する)政治」で結語しましょう。時代の流れを考えれば、「主権在民の統治」という意味です。
1848年、ドイツの社会主義者マルクスらによる「共産党宣言」と、1917年、ロシア三月革命に続くレーニンによる共産主義革命(マルクス=レーニン主義)は、「反宗教の宗教」と揶揄(やゆ)されたとおり、双魚宮時代の象意である“宗教”を完全否定する唯物主義でありながら、資本家vs労働者の「対立二元論」などの自己矛盾をもった双魚宮時代最後の思想でした。
「人民解放」の旗印を掲げながら、実体は国民を圧迫する党独裁に陥ったのはご存じのとおりです。
自由や権利の平等には、博愛の精神がなければ実体化できません。
このように見ていくとき、ガリレオ、ケプラー以降、近世科学思想が台頭した1,630年頃から、宝瓶宮時代の影響が徐々にではじめたといえます。
そして、ソビエト共産主義が崩壊した1991年頃には、双魚宮時代の影響は、宝瓶宮時代と逆転したと考えられます。
One-Point ◆ 双魚宮時代の完全な終息は、中国共産主義の思想的崩壊によってではないでしょうか。蛇足ながらソビエト社会主義共和国連邦の幕引きを行った最後のゴルバチョフ大統領は、3月2日生まれの魚宮。その後を受け継いだエリツィン・ロシア大統領は、2月1日生まれで水瓶宮でした。
●「古代オリエント占星学」は、ギリシャ(科学)文明の発達に伴って「暦」としての使命を終えました。
古代ギリシャの「アストロロジー」(通称:古典占星学)も、近代科学文明の発達に伴って使命を終えたのです。
「現代占星術」も、宝瓶宮時代の実際的なはじまりや定着が進むほど、今のままでは次第に発動範囲を狭めていくでしょう。
一方、宝瓶宮時代のアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)は、今後、時代の流れに共鳴して、実践哲理として人類社会に貢献するようになるのではないでしょうか。
当然のように、土星外惑星(トランスサタニアン=天王星・海王星・冥王星)の発見は、古代ギリシャから続くアストロロジー(通称:古典占星学)や「古典占星術」に関わる人々に大きな衝撃を与えました。
それまでの「太陽」〜「土星」まで7つの星で判断していた根拠が揺らいでしまったからです。
しかし、イギリス人のアラン・レオ(1860-1917)や、セファリアル(1864-1929)らによって、19世紀末〜20世紀初めにかけて、古代ギリシャの「アストロロジー」を根底から支えていたアストロロジー理論(ホロスコープ理論)を完全に捨て去り、単に“当たる/当たらない”の占いに特化させました。
オカルト・ブーム(心霊ブーム、近代スピリチュアル・ブーム)の真っ最中だった当時、アラン・レオ自身も著名なオカルティストで霊媒師のマダム・ブラヴァッキーの影響を受けています。
というか、マダム・ブラヴァッキー率いる神智学協会の占星術ロッジ(支部)に所属していた“信者”だったのです。
そこから、アストロロジーと一線を画す「現代占星術」が、星占いとして萌芽していきました。
結局、現代占星術は、双魚宮時代の“支配星”「海王星」の象意の一つ、“オカルト”(神秘、スピリチュアリズム、不思議系)の要素を色濃く残したまま混迷しているのが実状です。
宝瓶宮時代の到来を迎えた今日、現代占星術はともかく、現実に役立つ実学としての新しいアストロロジー(星学)に変わらなければなりません。
それが「宝瓶星学」こと通称:宝瓶宮占星学です。
One-Point ◆ 通称:宝瓶宮占星学は、水瓶宮(宝瓶宮)の象意に基づくものです。より科学的(哲理的)で現実的な新しいアストロロジーです。現代西洋占星術の解釈をふまえつつも、オカルトチックな占いの要素を排して、現実を見据えた宇宙哲理に基づく「実学」を標榜(ひょうぼう)します。将来的には、「波動共鳴科学」の解釈を加えていくようになると考えます。
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