宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代のアストロロジー―
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●第1稿 : 2022年 9月 7日アップ
今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、善児を演じた梶原善(かじはら ぜん)氏のホロスコープです。
世間さまいわく“アサシン善児”です。
先の8月28日放送の第33回「修善寺」で同ドラマの出演は終わりましたが、脚本家の三谷幸喜は梶原善のホロスコープ(出生天球図)を見抜いていたかのような役柄を充てていました。
そうして、「代表作にして」と声を掛けていたようです。
「僕がやる舞台に出てみない?」と、当時19歳の梶原氏に三谷氏が電話をしたのがお二人のはじまりのようです。
梶原氏は三谷氏が主宰する劇団「東京サンシャインボーイズ」に所属します。
今や三谷氏の舞台では欠かせない常連で、テレビドラマでも名脇役として活躍しています。
今作2022年の大河ドラマでは、歴史上、死因が明らかでない人物を無言で殺害する役回りを演じて、“アサシン善児”と話題になりました。
最初は、伊豆に島流しされていた源頼朝(大泉洋)と、伊東八重姫(新垣結衣)の子、3歳の千鶴丸を八重の父伊藤祐親の命により川で殺めるという戦慄のシーンでした。
その後も、主人公北条義時(小栗旬)の兄宗時(片岡愛之助)を後ろから音もたてずに暗殺するなど、次々と“狂言回し”の役を演じています。
One-Point ◆ 架空の人物とはいえ善児なくしては筋書きがすすめられないため、三谷氏も期待し「代表作にして」と言ったのでしょう。実際、「善児 梶原善」と番組冒頭のクレジットが出ると、「今回も誰かが…」と戦慄を覚える視聴者もいたようです。
さて、下図が梶原善氏のホロスコープです。
出生時間が不明なので、「太陽」を起点としたハウスホイールでの「ソーラーチャート」で作成しています。
通常、一日の真ん中をとったお昼12時で作成することが多いようですが、上掲のホロスコープは、日の出の時間で作成し、動きの早い「月」のみ当日中に動く度数を記して、正しくリーディングができるように配慮しています。
One-Point ◆ お昼12時にして「月」の位置までも決定するのは早計です。許容度数(オーブ)10度をとっても「月」は、一日にそれ以上動きますので、正確なリーディングができないことが起こるためです。
いろいろな状況からみて、梶原善氏のホロスコープは「海王星」がYOD(ヨッド=150/150/60度)の頂点の星となる可能性が高いとみています。
なぜなら、魚宮生まれ(太陽)の梶原氏の共鳴星が「海王星」だからというだけでなく、ほかに重要なアスペクトがあり、現実的にも、かなり影響を受けているといえるためです。
出生時間が不明なので確定までには至りませんが、その場合は牡羊宮の「月」と、双子宮の「木星」が底辺の星になり、否応なく人の好さを発揮せざるをえなくなるのと同時に、俳優として“名脇役”としての適性がリーディングできるようになります。
そうでなくても、「木星」と「海王星」の転(クインカンクス、インコンジャクト=150度)は確定しています。
「転」というのは、その象意から、分かりやすいように宝瓶宮占星学で和名にしたものです。
いずれにしても、出生時間によっては、基本点を交えたYOD=150/150/60度の可能性が出てきます。
その場合は、基本点によって異なりますが、「海王星」の豊かな“感覚”や“イマジネーション”が否応なく発揮されることになります。
One-Point ◆ 魚宮生まれ(太陽)ゆえに、共鳴星の「海王星」がYODの頂点の星の場合、重要な影響をもたらします。そうでなくても「水星&火星&土星」と「天王星&冥王星」に調停(メディエーション=60/120/180度)の座相をとっていることから、無視はできず重要なポジションにあります。
魚宮の「太陽」で共鳴星の「海王星」が活性化していますので、内面に他人には分からない感覚の豊かさやフィーリングなどをお持ちになる梶原氏です。
また、お名前のとおり“善良”な人の好さが出やすくなります。
同時に、そのような星を持つ彼が、冷酷な“アサシン善児”を代表作ともいえるハマり役として演じきれたのは、もう一方の側面がホロスコープ(出生天球図)に示されているためです。
「水星&火星&土星」の三重合(トリプル・コンジャクション=0/0度)と、「天王星&冥王星」の合(コンジャクション=0度)による、強烈な衝(オポジション=180度)がそれです。
ですが、くだんの「海王星」が調停(メディエーション=60/120/180度)の座相を投げかけています。
そのため、「海王星」の象意に基づいてバーチャライズ(仮想化)をもたらすなど、お芝居に役立てることができ、情を持ちながらも役柄とはいえ冷酷なアサシン(暗殺者)を演じることはピッタリで、ハマり役にできます。
One-Point ◆ 蟹宮生まれ(太陽)の三谷氏は、そのような彼のホロスコープを知らなくても、これまでの経緯から見抜いていたのでしょう。それゆえ“善児”にあまりセリフを与えず、冷静な「土星」が効いた寡黙なアサシンの役柄を演じさせて、最期のシーンで「海王星」本来の人の好さを演出したようです。
さて、生まれもつホロスコープどおりに“情け”と“冷静豪胆”な二面性の“アサシン善児”を見事に演じ切り、代表作ともなる“ハマり役”にされました。
もう一つ、上掲のホロスコープには、2つのT矩(Tスクエア=90/90/180度)があります。
“凶座相”と解釈をされるかたがいらっしゃるかもしれませんので、最後に触れておきます。
「木星」を軸とした「水星&火星&土星」と「天王星&冥王星」の衝=180度のT矩=90/90/180度、ならびに「太陽」を軸に「ドラゴンヘッド」と「ドラゴンテール」が形成するT矩=90/90/180度です。
これを単純に“凶座相”と解釈するのは間違いで、正しく象意を知れば活かすことが可能なアスペクト・パターンになっています。
そうでなくても前者には、「海王星」が調停の座相を投げかけていますし、後者には現在、トランシットの冥王星が合(0度)を投げかける「金星」が、調停の座相をとって良し悪しにかかわらずフォローしています。
One-Point ◆ “吉凶解釈”を行なうのはご自由です。ですが、“吉”か“凶”かの単純な占断は明らかに間違いです。良識ある皆さまにはご説明するまでもないでしょう。そこにおいてどうするかご判断や実際のご対応は占術師ではなく、ご本人が決めるものだからです。
ちなみに、トランシットの冥王星が調停の座相をとる出生時の「金星」に合=0度の「星のディレクション」(運勢変化)は、梶原氏のホロスコープの場合、相応に人気運をもたらす時期であることを象わします。
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