宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しいアストロロジー―
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●第1稿 : 2022年 1月 2日アップ
「水星の逆行」についてトピが立てられることがよくあります。
逆行における数々の象意解釈は、本当でしょうか。
というのも実際には星が逆行することはなく、あくまでもそう見えるだけだからです。
何を言いたいのかというと、逆行時における象意もまた「そう見えるだけ」かもしれません。
マニアの間でとりざたされる「逆行」についての考察です。
結論的に、「水星の逆行」についていえば「人によって異なる」といえます。
逆行の影響を受けて惑わされるケースと、逆に受けない人がいます。
それは、「ホロスコープ」(出生天球図)や年齢によっても異なってきます。
すべての星の逆行ではなく、比較的多い「水星の逆行」がよくとりざたされるように、「水星」が象わす“神経的なメンタリティー”が良し悪しに関係なくかかわっているといえます。
「水星」は、脳内シナプスなど神経系統を象わすからです。
One-Point ◆ 「逆行の象意解釈」はともかく、水星の逆行の影響について否定はいたしません。トピがよく立てられる以上、それは一部とはいえ実際に何らかの影響を感じていたり、そう思っているかたがいるのは事実だからです。
「水星」が象わす“神経系統やメンタリティー”の問題は人それぞれです。
“過敏”といえるほど神経質なかたもいれば、“鈍感”といえるほど無頓着なかたもいらっしゃいます。
さらには、“特定の分野や状況”に異様に敏感で、それ以外の出来事には意識も興味も示さないというケースもあります。
といったように、「水星」が象わすのは個人差が大きい内面性の分野ですので、いちがいに他人からどうこうはいえない側面があるのです。
ここで重要なことは、そういった内容に関して、全員かのように解釈するのも、また全くないかのように否定するのも、事実にそぐわないという広い視野を「友愛精神」によってもつことです。
One-Point ◆ ちなみに“吉凶”とは関係がありませんのでご理解ください。吉凶は友愛精神とは真逆で、一つの側面しか見ずに占断している狭い視野の解釈だからです。視野狭窄(しやきょうさく)は、ご注意が必要です。
では、根本的に「星の逆行」について考えてみましょう。
太陽系惑星は、ほぼ一定の速さで同じ方向に公転し続けています。
そのため実際には星が逆行することはありません。
ですが、ときに“逆行”(レトログラデーション)しているように地球上から見えるのは事実で、ご存じのように次のような理由からです。
地球も当該惑星も常に一定方向に動いているのですが、太陽からの距離と公転周期(スピード)の違いから、地球が当該惑星を追い越すときに、“逆行”しているようにみえるだけです。
One-Point ◆ 太陽系惑星は、ときに後戻りして逆行しているかのように見えるために途惑う星「惑星」と呼ばれます。一方、太陽と月は逆行して見えることがありません。それゆえ太陽は常(恒=つね)に光り輝く「恒星」と呼ばれ、月は地球をまわって守(衛=まも)っているようなので「衛星」と呼ばれます。惑星ではないわけです。
さて、ここからは“独断”です。
星は実際には逆行することはなく、逆行しているように見えるというのは、間違いのない事実です。
であれば、本来の星の象意に逆行パターンはなく、一見、“逆行による象意”かのように戸惑った解釈をしていることになりませんか?
そうであっても、“主観”は人間の性(さが)なので、ご本人にとっては“事実”であり現実だと反論いたしますか?
重要なことは、どこまで客観的な“共通の事実”といった象意なのかということではないでしょうか?
One-Point ◆ もっとも、結論はどちらでもいいのです。そういった人もいるという事実があるのです。逆に、そうではない人も案外といるという事実もあります。そういった“主観の相違”を問題にしても、あまり実りの多い結果や状況に至れるとは思いませんけど、いかがでしょう。
お話をぶり返しますが、“逆行の象意”はあるのでしょうか?
惑星の逆行については、人それぞれに解釈があって、結局は定まっていないのです。
たとえば、ある占術師は、逆行はその惑星がやり残したことを果たすためといった解釈をされるかたもいらっしゃいます。
いずれにしても、「水星の逆行」についてトピがよく立てられるという事実は、多くのかたが納得できる定まった解釈が、いまだにないということをあらわしています。
当然です。
「水星の逆行」が影響するかしないかは、その人の「ホロスコープ」(出生天球図)をはじめ年齢などの人生経験などによりますし、影響するにしても、その内容や象意は、個々に変わってくるからです。
One-Point ◆ 私見を述べれば次のように考えます。当該惑星の進行方向やスピードは変わらないのに、地球が追い越していくのが“逆行”に見えることから、星の象意(方向性)は変わらないけども、ホロスコープの中心である地球すなわち「自分自身」の主観や考えまたそのときの状態や立場のほうが、相対的に強まって“逆行の象意現象”がさまざまに生じるといったことです。
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