宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
●安倍晋三首相(右)
●第1稿 : 2006年10月12日アップ
●信長の天佑といえば、誰でも知っているのは、わずか2千の手勢で、総勢2万5千の兵力を動員していた今川義元を桶狭間で討ち取ったことでしょう。本当に奇襲だったのかは分かりません。
また、信長を攻めようと動いた武田信玄や上杉謙信の両雄が、その途上で病いに倒れたことも天佑です。
他にも、家康との奇跡的な盟友関係、秀吉といった稀代の英雄が服したこともそうでしょう。ちょうど小泉氏に、偉大なるイエスマン武部氏や、主席秘書官の飯島氏がいたことを思い起こします。
さて、武部氏のページの、「一国の首相を軽々しく取り上げ、明らかにすることはできません…」という言葉に反しますが、安倍晋三内閣総理大臣(2006年10月12日現在)の本当の顔に迫るため、宝瓶宮占星学のリーディングを書いてみましょう。
武部氏のページで書いたように、なぜ小泉首相の占断を行なわなかったのか、彼のホロスコープを解読してみた人には分かるかもしれません。
もう一つは、歴史的使命を持った人物は、ときとしてある時期、占星術を超越した運勢を見せることがあるからです。
日本の歴史上では、戦国時代の織田信長がその例でした。
信長がピンチのとき、必ず奇跡ともいえる天佑(てんゆう)が幾度か訪れています。(左参照)
歴史的な変革を成し遂げるべき人物には、不思議とそういうことが起こるのです。
そして、戦国時代を終わらせ、新しい時代の目処がたったとき、本能寺の変で人生49年の幕を閉じます。
それは、信長に与えられた歴史的使命を終えたからでしょう。
往時、信長の周囲には、室町幕府や宗教権力や既得の経済利益など旧い慣習を常識と考える有力者の敵が多くいました。それらの大半を信長は終わらせる目処を立てました。
規模の大小はともかく、小泉氏も同じです。
小泉氏も、既存の派閥政治や既得権益を保持しようとする守旧派の政治家や官僚などを抵抗勢力と位置づけ、その反対を受けながらも郵政民営化など新しい政治の端緒を開いたのはご存じのとおりです。
それが、たとえ「角福戦争」の延長にあることだとしても、そうやって歴史は新しい時代の方向へと動かされていくということを知らなければなりません。
One-Point ◆ そんな意味で、歴史的改革者をあまり占わないほうがよいと考えています。いずれ歴史がその評価を下します。まあ、宝瓶宮占星学の観点からいえば、小泉氏は宝瓶宮時代の流れと軌を一にする部分が多かったので不思議でした。そういった時代精神ゆえ、小泉氏は危ないところでフセインが捕獲されたり、紀子様がご懐妊されたり、天佑ともいえる運の強さを見せたのだと思います。
●ちょうど星座宮と星座宮の境目に生まれて、自分はどっちだと悩んでいる人がいます。何宮って、そんなに厳密なものでしょうか? サビアンでは1度の違いを重要視しますが、では1度と1度の境目はどうなん? と突っ込みを入れたくもなります。
自分を一つの宮だけに決め付ける必要はありません。星や宮や室の位置関係(アスペクト=位相や座相)のほうが影響力が大きくありません?
なぜ安倍氏について述べるのかといえば、小泉改革の継承者として彼の本質を正しく知っておいたほうがいいと考えるからです。
もちろん、お会いしたことも見たこともありませんから、占星学の観点からの記述です。
その一端をお伝えしましょう。
みなさんは、安倍氏に対して、どんな印象をお持ちでしょうか?
多分、どこか弱々しいところがあって、期待しつつも、ちょっと心配ってところでしょうか。
著名な政治評論家も、「人の良さが欠点…」みたいなことを述べていました。
確かに安倍氏のホロスコープ(出生天球図:生まれた時の星の配置)をリーディングすると、そういう側面がなくはありません。
周囲を慮(おもんばか)るところや、神経的に繊細さがあるのです。
しかし、意外や「やややや! これは違うゾ」といった側面も散見できるのです。
彼は、1954年9月21日、星占いでいうおとめ座の生まれで、これは出生時の太陽が乙女宮ということです。
一般的にはそうですが、ホロスコープを詳しくみると太陽は乙女宮の終盤28度ですし、全体の星の位置関係からは、むしろ天秤宮と蠍宮の象意が強いことが分かります。
このことは、安倍氏を単に乙女宮と解釈すると間違いということです。
One-Point ◆ そういうものですね。太陽星座とは違った星座宮のほうが強い人はたくさんいます。それが上昇宮や月星座とはかぎりません。私が安倍氏の生年月日を知らずに、その容貌や雰囲気、身のこなしから生まれた星座宮を推測したとき、真っ先に「天秤宮の象意を持った人だ」ということが頭に浮かびました。ただ天秤宮しては重厚さがあるので、「冥王星や海王星や天王星の象意が加わるだろう」と考えていましたが、ホロスコープをみてハッキリしました。
●1954/9/21 東京:出生時間不明
蟹宮に3つ、天秤宮後半から蠍宮前半に4つ、星が集中。三区分では、活動宮に6つ、柔軟宮には乙女宮28度の太陽のみ。
私見ではトータルで「冥王星」と「太陽」の象意を強く持つ人物だと思います。
安倍氏のホロスコープのかしこには意志の強さが垣間見えます。
一方的な頑固さではなく、自分と違う立場の人々の意向を受け入れつつ、自分のやりたい事を行なうといったしたたかな意志の強さです。
不適切な表現ですが、一見「羊」的、内面「狼」的といったところでしょうか。彼が右派と目される一因でしょう。
真面目さや人気運も見た目どおりあります。
調和のとれた穏健さ、洗練された社交感覚、敵をつくりにくい情愛の深さがあるため、人が集まりやすく人気運があって周りが安倍氏を担いでくれるのです。
昨年来、現在も運航している星が、安倍氏の持って生まれた「人気運」に拍車をかけていて良い影響を与え続けています。
そんな時期にあるので、持って生まれた「人気運」以上に国民の支持を得ているともいえるでしょう。
その星は今後、影響力を次第に弱めていき、生まれどおりの人気運にいったん落ち着いていきます。
注目される来年(2007年)夏の参議院選挙時にどうなっているのか、今は書かないことにしましょう。
One-Point ◆ 持って生まれた運勢に、現在の星が同調する位置にくると強いですね。ご本人にベースがあってのことですが、そういう持って生まれた運勢が花開く時期がくるものです。そういった天の時に、地の利が絡み、人の和が加わると、「天運」を得ます。安倍氏は、人の和を持っていますので、小泉氏が築いた地の利、そして昨今の星の配置という天の時がそろって総理の目が回ってきたのだと考えられます。
安倍氏の柔軟さや意志の強さだけに目を奪われていると、本質を見失います。
というのも、けっこう闘争心があるからです。まあ、そうでなければ政治家にはなれないですよね。
猪突猛進の勇猛な闘争心ではなく、地道な努力や用意周到さをもって臨む知恵のある闘争心です。そのため、表面からは見えにくいのですが、水面下で真面目に準備しています。安全保障や交渉事に有能です。
彼は天性のネゴシエーターであり、その推察力を持っているのです。
意識レベルが高く、純粋で、信念を固守する安倍氏ですが、答弁を見てもお気付きのように、言葉が具体的ではありません。
イメージ的な物言いをするので、それが政治家としては欠点とも映るでしょう。
しかし、誤解のないように書いておきますが、これは内容がないためそうなるのではなく、平和的で友好的でビジョンを持っているため、それを言葉で表そうとすると、どうしてもイメージ表現になってしまうようです。もしかしたら、手の内を見せないよう、分かっていながらあえてそうしているのかもしれません。
あくまでも一面です。
これが、いったん目的に向かって意識が集中したときやイザという場合には、現実的な対応になります。そう心配ないでしょう。
氏自身がいちばん認識しているはずです。
One-Point ◆ 同じブレない政治家でも、小泉首相がかたくなで妥協しないタイプなら、安倍首相は、柔軟で交渉しながらもブレない政治家です。一般市民からは小泉首相のほうが分かりやすいでしょう。小泉氏を天下布武の信長型だとすると、柔軟性を持つ安倍氏は周到に交渉を行なう秀吉型といえるでしょう。
●ここに書いたのは、安倍氏のホロスコープのリーディングの一部です。
重要な「星のディレクション」は、他にもあります。現段階では書けませんが、いずれにしても全部ではありません。
最後に、安倍氏にとって総裁選はまさに究極的な運命の分かれ目でした。
「総裁・首相」という全く新しい環境から逃げなかったことが、今回の結果を招くことになったのです。
もし、「まだ若いから」とか「先輩がいるから」とか「次があるから」と考えたら、彼はこれまで築いてきた基盤を失い、二度と浮かび上がることができなかったでしょう。父・安倍晋太郎氏の教訓を見事に活かした格好ですね。
しかし、まだこれからしばらくは、思い切って新しい環境や状況づくりに果敢にチャレンジしていかなければなりません。安倍氏に与えられた本領発揮の星のディレクションに現在あるからです。
そういう持って生まれた運勢を最大限に発揮する一生一度の機会にあることがホロスコープの星の配置から分かります。
それをしなければ、彼は今の立場を失います。そういう運命の時です。
彼が掲げる「再チャレンジ」とは、実は、彼自身に課せられた重要な命題でもあるのです。
意識の高い人は、そういった自らに対する天意を、占星学を知らなくても感じとっていきます。そうでなければ、一国の首相を務められるものではありません。
背後から彼をサポートしている宇宙意志(時代の流れ)といった天意を、信念と柔軟さと卓越した交渉能力で推進していくなら、彼は戦後の大宰相として名を残していくことが可能になります。
もちろん、彼自身の意思決定が岐路です…。
One-Point ◆ 小泉前首相は、評価はともかく新しい地平を築きました。時代の改革者は、その時代からは受け入れられにくいものです。若い安倍氏は、ホロスコープを見るかぎり、時代の創造的担い手の資質(運勢)を備えているといえます。あとは未知数の部分があるのですが、本当の実力次第で結果が出るでしょう。
※ここに書いているのが安倍氏の全てだと誤解なさらないようにお願いします。
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