宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
●第1稿 : 2011年11月30日 緊急UP
茶髪の風雲児「橋下徹弁護士(元大阪府知事)」が率いる大阪維新の会。
既存権力挙げての「橋下包囲網」の中で行なわれた2011年の大阪府知事選・大阪市長選のダブル選挙、いわく「大阪秋の陣」。
約400年前の大阪夏の陣では、東軍・徳川家康が勝って265年間にわたる天下泰平の道を拓きました。
「宮崎をどげんかせんといかん!」と訴え、2007年1月23日に宮崎県知事に就任した東国原英夫氏の当選から1年後、異色の風雲児・橋下徹大阪府知事が誕生したのは今から3年前。
2008年の大阪府知事選挙で183万2857票を獲得し、翌月2月6日に大阪府知事に就任しました。
省庁をはじめ府職員や教育委員会とのバトルなど、数々の話題を提供後、大阪市との二重行政がスムーズな行政の運営と大阪発展の阻害要因になっているとして、「大阪都構想」をぶちあげました。
「大阪都構想」は、政令指定都市の大阪市や堺市、および周辺の市を廃止して特別区にするというものです。
当然、行政機能や財源は東京都のように「大阪都」に統廃合され、一元的に運営されることになります。
任期満了に伴う大阪市長選挙を見据えて、知事を辞職して市長選に立候補。
これには大阪市の平松邦夫市長(当時)をはじめ、民主党や自民党などの議員のみならず、マスコミを含めた「三権」が協力して「橋下包囲網」を築き、常識を超えた「橋下潰し」を展開しました。
ここでいう「三権」とは、司法を除く、行政(官僚)、立法(議員)の国家二権と、第四権力といわれるマスコミをさします。
現在、地方行政に対しては、国家官僚など省庁が実質的に多大な権力を握っており、「大阪都構想」は、それら官僚に真っ向から修正を迫るものになります。
今回のダブル選挙では、国会議員こそ表立った動きはみせませんでしたが、政権与野党の民主党と自民党だけでなく、なんと共産党までもが手を組んで反対するという、前代未聞の珍現象がみられました。
One-Point ◆ ちなみに、公明党は自主投票で中立、最近、躍進めざましい「みんなの党」は行政(官僚)改革を旨とするアジェンダを掲げていることから、当然、地方政党「大阪維新の会」と方向を同じにするために唯一、応援に回りました。
●本文に書いた「週刊文春」や「週刊新潮」のバッシング記事に対する橋下氏のツイッター内容を掲載しておきます。
※
「実父の出自も今回の週刊誌報道で初めて知った。
僕は成人だから良い。
しかし僕には子供がいる。
子供の友達の親も、皆知ることになっているだろう。
妹も初めてこの事実を知った。
妹の夫、その親族も初めて知った。
メディアによる権力チェックは、ここまで許されるのか。
非常識な権力機関である週刊誌に対しての権力チェックも必要です」
※
ちなみに、「週刊ポスト」と「サンデー毎日」は、「客観的」に「週刊文春」や「週刊新潮」の異常さを取り上げたようです。
さらなる珍現象は、「週刊文春」や「週刊新潮」です。
「週刊新潮」は、もともと少しひねたナナメからの切り口を特徴とするので分からなくはありませんが、週刊誌の中では比較的ながら文化度が高く、いわば良識派に近かった「週刊文春」までもが、個人攻撃ともいえる異様な「橋下バッシング」を繰り広げたことです。
要旨は、母子家庭で育った橋下氏に対し、「父親が元暴力団員で幼少の頃に自殺」だの、「友人の父親が元暴力団員だった」というものです。
引継ぎはまだですが、府知事を辞職した橋下氏は、もはや公人ではなく通るか通らないか分からない立候補者の一人。
あからさまな「イメージダウン」を狙って掲載されたもので、選挙期間中のこの記事は選挙妨害の可能性も捨てきれず、一歩間違えば「選挙違反」スレスレの意図されたバッシング記事だといえます。
これに対し橋下氏は、法的観点から「友人の父親が元暴力団員なら、その子供も暴力団員か」と、「バカ文春」「バカ新潮」とツイッターで応戦。
選挙演説でも「父親が暴力団員、けっこう毛だらけ」と、関西人好みのフーテンの寅さんの名口調を発して燃え上がりました。
バカですねぇ〜、文春と新潮。
これが東京での選挙選なら「イメージダウン」になっていたでしょうが、反骨精神も人情もある大阪。
逆に多くの大阪府民が橋下氏に味方する結果を招いてしまいました。
一方、「読売新聞」は、さすがに個人攻撃にまでは出ませんでしたが、それでも上手に反橋下・反大阪維新の会・反大阪都構想に誘導する記事を掲載しています。
One-Point ◆ 「大阪都構想」に反対なのは、当然、自分たちの路線否定につながるプライドの高い「官僚」たちです。国会議員は今回、人気のある橋下元府知事に下手に反対すると、来年に控えた自分たちの選挙に影響しかねないので、表立って平松邦夫市長(当時)らへの応援演説はしていません。彼らや関西財界の一部がカゲから手を回して働きかけ、橋下氏いわく「バカ文春」と「バカ新潮」などが乗ってしまったということでしょう。
●今回の選挙に国家官僚の表立った動きは、報じられていません。
官僚だから当然かというと、面従腹背や省益中心に動くとされる彼らのこと、そう単純ではないでしょう。
「頭の良い」彼らは、「大阪都構想」の目的を知っているはずです。
かつて橋下氏が主張した「道州制」、少なくとも「関西広域連合」による地方行政の強化です。
国家官僚や省庁から、行政や財政の多くを移行するものになります。
単に「大阪都」の問題ではなく、国家行政組織の運営を変革しかねないものゆえに今後、官僚は国会議員や財界やマスコミを通じて徹底的に潰しにかかりそうです。
まさに「組織運営変革の深化」は、日本国内や地方においても、具体的に始まったようです。
最初は、橋下氏優勢と思われていましたが、行政、与野党議員、マスコミら三権力や、関西財界、日教組、自治労、地方公務員らによる大々的な「橋下包囲網」が築かれるに及んで、情勢は分からなくなりました。
橋下陣営は危機感を持ち、浮動票層や若者に訴える戦略に変更します。
そのせいもあってか、投票日11月27日の「2〜3日前から風向きが変わった」と当選を確信していたといいます。
星の動きからいえば、2〜3日前は、「2012年以降の運勢傾向-世界が変わる」などでもお伝えしたように、11月24日に土星が天秤宮の25度を通過して「組織運営変革の深化」のディレクション(影響圏)に入ったときに当たります。
信じる、信じないは、皆様の自由。
星のディレクション(運勢)という波動変化(象意)は、気づかないうちに少なからず地上の大小に影響を及ぼします。
地方行政とはいえ「大阪都構想」が、まさに「組織運営の変革」を意味するものであることを知れば、その「深化」の始まり(影響圏入り)に伴い、地上が知らずにディレクション(direction)されはじめたことは、占星学を知るものであればうなずけることです。
もう一つ、「レクチャールーム」(要ID&パスワード)に昨年8月にアップした「衆参両選挙のリーディング・スタディ」をご一読された方ならお分かりのように、「民意」を象わす星は、今回のダブル選挙の投票日当日、まさに「変革」の星と共にあって、「組織運営変革の深化」のディレクションと大きく共鳴していました。
One-Point ◆ 「三権」や「第四権力」という表現を用いていますが、あくまでも日本国の主権者は、市民や国民です。それが民主主義国家・日本です。また司法・行政・立法の「国家三権」を監視するとうそぶくマスコミの「第四権力」に対し、もはやマスコミを超えた「第五権力(ツール)」であるネット(ワールド・ワイド・ウェブ)を国民は持ち、駆使できるまでになっていることを、俗にいう「権力」側は知らなければなりません。
●橋下 徹 1969年6月29日生 渋谷区
橋下氏は、6月29日の生まれ。
蟹宮4度の太陽で、すでにトランシットの土星の下方矩(ロウアー・スクエア=90度)のディレクションからは抜けています。
逆に、天王星の上方矩(アッパー・スクエア=90度)を受けて、新たな社会活動のディレクションのときを迎えています。
●平松邦夫 1948年11月15日生 尼崎市
正直なところ、「大阪都構想」や「大阪府知事選・大阪市長選」のダブル選挙は知っていても、在住の地から離れた地方選挙のこと、マスコミでもネットでも今一つ正しい状況が見えませんでした。
投票日11月27日の夜8時、投票が締め切られると同時に、時報が鳴るや否や速報が飛び込んできました。
関西地区以外では、NHK大河ドラマ「江−姫たちの戦国」最終回、1時間15分の拡大版の放送が始まった瞬間、橋下氏と松井氏の当確情報が流されたのです。
30分繰り上げられて放送されていた関西地区でも、多分、8時の瞬間に速報が流れたことでしょう。
結果が決まった以上、翌日はマスコミも大々的に半ば好意的(中立的)に取り上げはじめ、反対側の冷ややかな反応と同時に、事の次第や「民意」が報じられました。
ご参考に、投票日夜8時のホロスコープを揚げておきます。
One-Point ◆ 投票が始まる朝7時の時点で、月は射手宮26度、投票が締め切られた夜8時、開票が始まる時点で月は山羊宮4度、金星や冥王星と合(コンジャンクション=0度)で、火星や木星と三分(トライン=120度)でした。橋下氏の太陽に上方矩(アッパー・スクエア=90度)の天王星は、昨今、冥王星と矩(スクエア=90度)のみで「孤独」が続いていましたが、このときは太陽の上三分(アッパー・トライン=120度)を受けています。連続的に星の動きをみたときに、この日しかないという投票日でした。
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