宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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●第1稿 : 2022年 1月24日アップ
一般に占星術で使われる用語「支配星」(ルーラー)の雑記です。
支配星と呼ばれるようになった経緯や意味またその理由は何でしょうか。
宝瓶宮占星学では“支配星”ではなく「共鳴星」をもちいます。
厳密には支配星と共鳴星は違うのですが、ここでは同じととらえてかまいません。
古代ギリシャに発祥したアストロロジー(通称:古典占星学)や、近世になって以降の古典占星術、また19世紀後半にはじまった現代占星術では、「支配星」(ruler:ルーラー)という言葉をもちいます。
占星術にご興味があれば、ご存じのとおりです。
「ルーラー」(ruler)というと、現代人は“定規”や“物差し”のことを思い浮かべるのではないでしょうか。
そういった意味がルーラーにあるのですが、占星術(学)では違います。
現代占星術でルーラーと呼ぶ場合、“支配星”のことをさします。
ruler(ルーラー)には、“支配者”や“統治者”という意味があるためです。
One-Point ◆ 個々人の自由が保障された自由民主主義体制が定着した現代では、支配者や統治者などといっても実感がうすいのではないでしょうか。ですが、古代ギリシャの人々にとっては、身近な大王など皇帝や君主は、支配者(統治者)であって、“ルールをつくる人”「ルーラー」でした。
フィロソフィー(叡智、哲学、愛学)が発達した古代ギリシャ時代は、「双魚宮時代」(そうぎょきゅうじだい)の影響圏に入っていたものの、当時はまだ「白羊宮時代」(はくようきゅう じだい)の末期でした。
白羊宮時代というのは、牡羊宮に共鳴する“闘争的”な、“支配者”や統治者(トップ、頭:かしら)といった「歴史パラダイム」によって発展してきた時代です。
戦いで勝った者が支配者(統治者)などのトップになって君臨しました。
そして、“こうあるべき”といった社会(国家)のルールを決めた時代です。
古代ギリシャ時代には、まだそれが色濃く残っていました。
そこで、“最先端学問”のアストロロジー(通称:古典占星学)が発祥したさい、7つの星を「ルーラー」(支配星)と定めたのです。
たとえば、12サイン(宮)などの象意がどのように定まっていくのかというとき、空の「星」が支配し、決めると考えたようにです。
One-Point ◆ 当時は肉眼で見える「太陽、水星、金星、月、火星、木星、土星」の7つの星が、ルーラー(支配星)でした。12サイン(宮)や12ハウス(室)の象意のみならず、個人の性質や運勢までも、それらの星が「支配」しているととらえたのでしょう。そんなバカなことはありません。
19世紀後半以降の「現代占星術」では、“支配星”は10個に増えました。
1781年に発見された自由をもたらす「天王星」、1846年に発見されスピリチュアリズム(心霊主義、神秘主義)やマルクス主義(共産主義)といったブームを巻き起こした「海王星」、そして1930年に発見され世俗社会と宇宙的霊性の両極端の分野の象意をもつ「冥王星」、この3つが加わったのです。
これらは土星の外側を公転しているために、「トランス・サタニアン」(土星外惑星)と呼ばれます。
「冥王星」の発見後、20世紀に開かれた占星術(学)の会議で、「冥王星」が蠍宮の“支配星”に決まると、現代占星術はこれらを新たな“支配星”として「メイン・プラネット」(十大惑星)と定めました。
ハッキリと書きましょう。
星(太陽系天体)が個人の性質や運勢また人類を「支配」することなどありえません。
One-Point ◆ このことに気づいた占星師もいるようで、次のようにコメントしています。「星は強制せず、示唆するのみ」。そう述べながらも、いまだにルーラー(支配星)と呼んで、もちいているのです。いかがなものでしょうか? 前近代的な用語を違和感なくもちいる“ワードセンス”は、そのまま内面性をあらわしているのです。
●共鳴星を無理に英語にすれば、「Resonant Star」(リゾナント スター)といったところでしょうか。
かっこ悪いですよね。
新しい概念なので、共鳴者と訳されることがある「Sympathizer」(シンパサイザー)をもじって、シンパサイラーなんてどうでしょうか…。
やっぱやめましょう。
日本人らしく「共鳴星」がいちばんです。
書いている意味はおわかりいただけますよね。
たとえば、アマチュアなどが占星術の専門用語を使って、シロウトを煙に巻いたり、無意識ながらも分かっているかのようにふるまうために使ったりすることがあります。
ですが、本当に分かっていれば、不特定多数の人々が閲覧するネットなどで知られていない専門用語を使う意味はないのです。
仲間内での会話ならいいのですが、一般の人々には本当のところがご理解できないからです。
というか、そういった専門用語をまき散らす似非(えせ)アマ占術師を“プロ”かのように勘違いされるかたもいますし、本物の占星術師であれば、意味をちゃんと理解していますので使うことはないのです。
要は、ご自身が本当は分かっていないので、ご説明できないのです。
“支配星”も同様です。
本当の意味を正しくご理解されていないし、その働きを正確には分かっていないのではないでしょうか。
それは個人差もあるとして、「宝瓶宮時代」(ほうへいきゅう じだい)のアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)では「共鳴星」と呼んでいます。
One-Point ◆ 宝瓶宮時代の歴史パラダイムは「共鳴関係論」なので、共鳴星という言葉がふさわしいのです。いまだに“支配星”などといったアナクロニズム(時代錯誤)の用語を平気で使って、占断や解釈をされている占星師がいたら、たぶん、ご理解されていないのでしょう。星が人の性質や運勢を「支配」するなんてありえないためです。
今後の宝瓶宮時代は、「共鳴関係論」を歴史パラダイムとして発展していきます。
上述いたしました「白羊宮時代」や「双魚宮時代」また「宝瓶宮時代」そして次の「磨羯宮時代」(まかつきゅう じだい)というのは、それぞれに約2,160年(計算値)続く「占星学的な時代区分」(プラトン月)のことです。
この時代区分が変われば、それに応じてアストロロジーも次元上昇して変わっていきます。
新たな解釈や理論が誕生し、「実学」に向かって変化すなわち次元上昇していくのです。
事実、1989年に人知れず起きた“宝瓶宮時代のビッグバン”以降、共鳴関係論による「ホロスコープ理論」(基礎理論)が誕生しました。
そこにおいては「共鳴星」なのです。
One-Point ◆ 約2,160年(計算値)以上前、白羊宮時代から双魚宮時代に変わっていった古代ギリシャ時代に、アストロロジー(通称:古典占星学)が新たに発祥しました。そして今日、双魚宮時代から宝瓶宮時代へ変わっていくことで、さらに新しいアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)が宇宙規模の「基礎理論」をともなって発祥しているのです。
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