宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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西洋占星術からみた大きな時代の流れを書いておきます。
人類文化歴史に対する宝瓶宮占星学、本来の西洋占星術からみた解釈です。
「時代=時間」の秘密についての試論だとお思いください。
●第1稿 : 2007年01月05日アップ
あなたは「時間」が何だか知ってますか? 時間の流れである「時代」は、大きく見れば明確な方向性があります。これは宝瓶宮占星学の基礎理論から見えてきたものです。それは人の心の中で「宇宙意志」が働いています。
人は誰であっても、大きな時代の流れに逆らうことはできません。
たとえ、川の流れに中に渦巻きなどの逆流が生じたとしても、やがては大きな流れの中に消えていく泡沫(ほうまつ)にすぎません。
時代も同じです。
時代の流れに逆流するような出来事が起きたとしても、それは川の中の渦巻きと同じようにいずれは消えてしまう夢まぼろしなのです。
結局、ある歴史スパンが過ぎれば、歴史の大河の中に呑み込まれていきます。
歴史に逆行するこういった出来事は、誰もが理解できる時代錯誤な出来事として現われるわけではありません。
通常は、時の権力者や権益者といった盛者として存在します。
彼らは、歴史の中では自分たちが正しく主流であるために、時代に逆行しているとは思っていません。
しかし、時が経つにつれ、未来に向かう大きな歴史の流れの中では、いつしか時代に反する保守勢力となり、過去の遺物となっていくのです。
過去の栄光をいつまでも保持しようとするため、前に向かって進み続ける歴史の中では、止まっているものさえ逆行する存在になり、時を経るほどに社会から抹殺され、あるいは自ら消えていくのです。
One-Point ◆ 平家物語の冒頭部分に、「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色、盛者必衰(しょうじゃひっすい)の理(ことわり)をあらわす」とあるように、歴史において多くの権力者が滅びていくのは多々見られます。しかし、ここで言いたいのは、宝瓶宮時代の今日、その変化は日常的に起こり、さらに加速していくということです。
●「近未来予測=実際編」のページにも書きましたが、今後20年ほど官公庁や自治体、議員や公務員の改革といった星のディレクションに入っていきます。
戦後、礎(いしずえ)として日本を再建した官僚体制も例外ではありません。
官公庁や官僚は、今やその栄光を失い、弊害や過去の遺物になりつつあります。それが前に向かって進み続ける歴史の流れなのです。
この大きな時代の流れは、人間の気まぐれや偶然によって左右されるものではありません。
では、何によって方向付けられているのかというと、皆様が信じるか信じないかは別にして、「宇宙意志」によってもたらされています。
「へっ! 宇宙意志ってナニよ?」と、ウサン臭く思われるかもしれません。
簡単に存在証明を試みてみましょう。
(現代科学によれば)ビッグバンによって太古の宇宙が生じ、銀河や太陽系が生じ、地球が生じ、地球には植物や生命体が生じ、生命体は進化のプロセスを経て人間を生じ、人間は文明を築きつつ現在に至っています。
が、果たして、進化・発展のプロセスは、これで終わりでしょうか?
そうではありません。
宇宙の空間進化や、生命体の生物進化に加えて、人類の精神進化のプロセスは、ビッグバンに始まる「宇宙意志」の一連の働きとして、現在も人類の文化歴史を通じて連綿と続いているのです。
ご理解できますか?
どういうことかというと、気がつくか気づかないかは別にして、人間個々人の心の遺伝子の中にも「宇宙意志」が分身として組み込まれているのです。
「宇宙意志」とは、何か特別な存在ではなく、誰の心の中にもある自然(ナチュラル)な働きなので、当たり前すぎて気づかないだけなのです。
それゆえ、人類は自ら認識しようとしまいと、意図しようとしまいと、宇宙意志のシナリオなきプログラムによって、ある方向に進んでいます。
それは、「時間」の本質が「意志」であり、「宇宙意志」の働きが「歴史=時代(時間の流れ)」であることを知れば見えてきます。
One-Point ◆ 「またヘンなこと言い出したぞ、こいつ…」、ですか? このことについては「宝瓶宮占星学-4.フレームワーク/ホロスコープの三要素と時間軸」の中で少し触れておきました。まあ、推論以外に確認のしようがありませんので、ウソでもホントでもどちらでもいいのです。ご興味のある方は次もお読みください。
●右に書いたように、社会的な「成功」には、時代の変化が大きく関係しています。時流に乗って、大衆の要求に応えたビジネスが成功します。
自分から時流を探って近寄っていく場合もありますし、逆に時流のほうが自分のビジネスに近寄ってくる場合もあります。それが「運」の一側面です。もっとも、本人の価値と成功とは必ずしも関係があるとは限りません。
「宇宙意志」の働きを、もっと現実の例で書いてみましょう。
歴史における文明の栄枯盛衰を持ち出すまでもなく、現在栄えているものが、同じ状態のまま明日も栄え続けるということはありえません。
それでは進歩や発展が止まってしまいます。
それゆえ、時代と共にあるものだけが生き残り、新しい時代を築いていきます。
そして、新しい時代に合わせて対応・変化し続けるものだけが、次代も繁栄を手にすることができます。
それは、大きな文明の話ばかりではありません。
身近なビジネスにおいても同じです。むしろ、日常に近いビジネスほど、人の心の中の宇宙意志が自然に働いて、時代の移り変わりと共にあって顕著です。
生活に身近な衣食住の中でも、ファッションは特に変化が激しいようです。
今年、爆発的に流行して売れたものが、来年も売れ続けることはレアケースです。
そのことをよく知っているファッション業界の人々は、あえて積極的に流行を作り出していくことで生き残りをかけています。
そういうことが分かれば、「流行を追いかける」というと軽薄なイメージを与えるのですが、過去の成功や繁栄に安住することなく、人もビジネスも、時代と共に変化・成長していくことが、人生の秘訣であり、またビジネスの成功の秘訣であることが見えてきます。
One-Point ◆ これはビジネスで成功した人がいちばんよく実感しているかもしれません。成功の理由を聞かれてよく「運か良かった」という言い方をします。その理由は、本人の努力以上に、時代の流れにたまたま乗れて成功したという意味です。逆に言えば、どんなに努力しても時流に乗れなければ難しいのです。
●本来は「宇宙意志」を解き明かすのに西洋占星術でもよいのですが、西洋占星術はパーソナルなオカルト的な占いに偏ってしまいました。その究極が心理占星術(学)です。
星や星座宮(サイン)の解釈の根拠を、結果である人間の心理において、いくら試みても、占星学の本質は見えてきません。
では、この時代の流れをどうやって見極めたらよいのかというとき、宝瓶宮占星学が有効な手段の一つになります。
宝瓶宮占星学は、宇宙の存在様相を素直にそのまま受け入れた解釈によるリーディングを試みています。
宇宙の存在や生成から基礎理論(哲理)を見出しているのです。すなわち、「宇宙意志」のことを知ろうとすれば、素直に「宇宙」に聞けばいいわけです。
ギリシャのヒッパルコス(190-126 B.C.)が提示したプラトン年という概念があります。
これは西洋占星術とも深い関係があるのですが、心理に偏った現在の西洋占星術ではあまり重視されていないようです。
プラトン年とは、天の赤道と黄道が交差する春分点(昇交点)が赤道を一周する約25,920年を単位とする宇宙的周期です。
それを1年と同じように、12か月に分けた約2,160年がプラトン月です。
占星学が確立した時代に、春分点がおひつじ座(と人間が名付けた位置)にあったため、当時を白羊宮(はくようきゅう)時代と称します。
白羊宮時代の次の2,160年間を双魚宮(そうぎょきゅう)時代といい、現在は宝瓶宮(ほうへいきゅう)時代の緒についたばかりです。この後、約2,160年を経て磨羯宮(まかつきゅう)時代に移っていきます。
占星学に詳しい人ならお気付きのように通常のサイン(宮)とは逆に移動していきます。
この時代区分(プラトン月)を実際の人類歴史と重ね、各宮(サイン)の象意によって解釈していくとき、「宇宙意志」の意図と働きが見えてきたのです。
One-Point ◆ 白羊宮=牡羊宮(牡羊座宮)、双魚宮=魚宮(魚座宮)、宝瓶宮=水瓶宮(水瓶座宮)、磨羯宮=山羊宮(山羊座宮)。時代の名称に使われている前者の名称は、正統派占星術で使われる中国式のサイン(宮)名です。
では、人類歴史の方向を解き明かす解釈のヒントを書きましょう。
こんな長い歴史スパンのことを書いても、生きているうちには関係ないかもしれませんが、「今」という時代を知るために、人類歴史を占星学の象意から敷衍(ふえん)しておきましょう。
さて、そのヒントは、歴史(history)を一人の人間の成長のプロセスとして捉えることです。
このように捉えると人類は、まだ生まれたばかりで、やっと少年期に差し掛かったということが分かります。
それが宝瓶宮時代が始まったばかりの現在です。
占星術に詳しい人なら、水瓶宮が「少年」によって象わされることからも、ご納得できるでしょう。
◆金牛宮時代=紀元前4000年〜紀元前2000年
(※年代はおおよそです。以下同じ)
シュメール都市文明や古代のエジプトピラミッド黄金文明時代です。
西洋占星術に詳しい人なら、金牛宮(牡牛宮)が、「物質」を象徴することはご存じでしょう。
人間に例えれば、出産以前の準備期間です。生まれてくる子供のために、産着(うぶぎ)や乳母車など、いろんな物質を準備する時代です。
人間が生きるには、さまざまな道具を開発・利用する方途を学び、物的環境を整えなければなりません。
◆白羊宮時代=紀元前2000年〜紀元0年
古代オリエントのアッシリア統一やアケメネス朝ペルシア統一やアレクサンドロス帝国を経て、ローマ大帝国に至る時代です。
人間に例えれば、出産を経て生まれたばかりの赤子の状態です。生きるために本能に従い泣きわめき、純粋無垢に必死に生きる時代です。
宝瓶宮占星学では、純粋なる意志や意識の芽生えの宮(サイン)を、牡羊宮(白羊宮)として捉えています。
裏表なく、ただひたすらに正義を求めるために、他者との戦いや、生存のための争いが生じる時代が白羊宮時代で、これによって人間としての意志や意識(古代ギリシャ文化)が芽生えます。
◆双魚宮時代=西暦0年〜西暦2000年
古代ギリシャの哲学思想に始まり、世界四大宗教によって世界がリードされてきた先の2,000年間の時代です。
人間に例えれば、幼児期の時代に該当します。
まだ未熟なために、人間としての倫理・道徳や規範を学ばなければなりません。
それが数々の思想哲学や四大宗教だったのです。
古典西洋占星術における魚宮(双魚宮)の支配星=木星の象意が、思想哲学や宗教を象わすことを知れば、話は簡単に見えてきます。
宝瓶宮時代の影響圏に入って海王星が発見され、現代占星術では、魚座宮の主星は海王星に、木星は副星となりました。
それは古い宗教の終わりを予見していたのかもしれません。
代わって、海王星に象徴される幻想や芸術が、宗教的呪縛から解き放たれ、盛んになってきたのです。
もう一つ、幼児期の子供に必要なのは、現実の厳しさではなく、将来に対する希望であり、未来への夢なのです。
それが仏教における「極楽浄土」や、キリスト教における「天国理想」、あるいは社会科学におけるユートピア思想でした。
◆宝瓶宮時代=西暦2000年〜西暦4000年
新しく始まった今後の約2,000年間が宝瓶宮時代です。
人間は、現実社会をより良くしていくために、徐々に現実を学び対応し、人間としての責任を果たせる大人に成長していかなければなりません。
人類全体も同じです。
宝瓶宮時代の影響圏(17世紀〜)に入ると共に、自我が目覚め、一人の人間として自由と自立の意志(個性)が人類に芽生えはじめました。
それが18世紀に起こった「自由・平等・博愛(友愛)」などの自由民権運動です。
そして、これから約2,160年の間、大人に向かって現実を学び、知性を深め、どんどんと新しい分野に興味を示して、精神的に成長していく少年期(思春期)の時代を人類は迎えるのです。
大人になる前のちょっとした反抗期もあるでしょう。それは多情多感な少年期によって、より深く友情(世界的な友愛精神)を学び人間としての基礎を築き、精神的にも肉体的にも大きく成長していく時代です。
◆磨羯宮時代=西暦4000年〜6000年
まあ、遠い時代ですね。
これを読んでいる人は誰も生きていませんが、書いておきましょうか。
磨羯宮(まかつきゅう)時代は、山羊宮の象意に基づく時代です。
人間に例えれば、責任を持った一人の大人として成人し、宇宙や現実社会に対して人間として人類の使命を果たしていく時代です。
山羊宮の象意を簡単に書くと、「社会、現実、使命、責任、実務」などです。
この時代、人類は宇宙全体に対して存在責任を果たしていくのです。
現実の世界に対して、その何たるかを悟り、宇宙における人類の使命を認識し、主体的に正しく運営・実現していく現実成果の時代でしょう。
簡単に書くとこういうことです。
こういった長い歴史スパンにおける宇宙意志が私たちの中に刻まれています。
こういったことが分かれば、双魚宮時代から宝瓶宮時代の転換期にある今日、私たちが何を目指すべきか見えてきません?
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