宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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宝瓶宮占星学の特徴を分かりやすくいうと、「未来占星学」です。
「星のディレクション」という聞きなれない言葉も、そこにかかわって使っています。
これらがどういう意味を持つのか、簡単にご紹介させていただきます。
●第1稿 : 2012年 4月18日アップ
●「宝瓶宮」は、「ほうへいきゅう」と読みます。
宝瓶宮というのは、水瓶宮(みずがめきゅう)のことです。
プラトン年に基づくサイン(宮)を、古典的に呼称すると宝瓶宮になります。
一方、宝瓶宮時代は、水瓶宮時代(誤まって「水瓶座時代」)と呼ばれることもあります。
星占いや一般の西洋占星術では、「みずがめ座」もしくは「水瓶座」と表記しますが、夜空の「みずがめ座」と占星学で使う「水瓶宮」は別物なので、誤まって使っているのです。
多分、そのほうが神秘性が増すからでしょう。
しかし、実際には、両者は現在1サイン(宮)分、約30度もズレています。
例えば、牡羊宮はうお座にあり、魚宮はみずがめ座の位置にあります。
「座」を、単に「宮」または「サイン」にするだけでいいのに、知っていながら、いつまで使い続けるのでしょうか?
生まれたときのホロスコープ(出生天球図)は確かに重要です。
しかし、一般に思われている以上に、現在や今後のホロスコープ(未来天球図)も重要な意味を持っています。
個人においても、人類においても、それは同様です。
現在や今後の正しい「ディレクション」を知ることによって、「ホロスコープ(出生天球図)」に象われた性格や運勢が、より良い方向に変わっていくからです。
「宝瓶宮占星学ってナニ?」
そう聞かれたら、やはり「宝瓶宮時代の新しい西洋占星術です」と答えます。
「で、何が、新しいの?」
そう問われたら、次のように答えます。
「西洋占星術にはない『基礎理論』があることです」
「基礎理論? それってどんなの?」
再び問われて、また答えます。
「新しい宇宙観に基づく『数理法則』などの基礎理論です」
そういうと、結局は、
「新しい宇宙観?」「数理法則?」「基礎理論?…」
これでは埒(らち)があきません。
もっと手っ取り早く、トーンを落としてお答えしなければなりません。
「西洋占星術のジャンルでいえば、『未来占星学』ということです」
「ああ〜、トランシット占星術ね」
(゚ρ`)=3
まあ、たしかにそういえますけど…。
ただ、スパンやバックボーンが…。
人類の始原(巨蟹宮時代)から、8,000年先(天蠍宮時代)まで読めますし…。
西洋占星術にはない「星のディレクション」があります。
「星のディレクション」については後述します。
壮大な「未来占星学」が宝瓶宮占星学だといえば、まだ分かりやすいかもしれません。
西洋占星術の皆様がどうお考えかはともかく、西洋占星術がもっとも苦手とする分野です。
One-Point ◆ 西洋占星術の未来予測法には、トランシット法とプログレス法があります。西洋占星術というのは、実際の星の動きや位置によって占断を行ないます。東洋占術にはないストレートに「実星」を使うというのが、西洋占星術の最大の特徴です。そのため、実際の星の動きによって未来予測を行なうトランシット法は西洋占星術の正統です。しかし、後者の1年に1度、出生時の星を進めて未来予測を行なうというプログレス法は、「虚星」による占断になりますので、正統な西洋占星術ではありません。もっとも、プログレス法の考案者が、あの有名なオカルト協会で活動し、それまでの古典占星術を、昨今のオカルトチックな西洋占星術に変えたアラン・レオ(Alan Leo 1860-1917)だと知れば、「さもあらん」とうなづけてしまいます。
●宝瓶宮時代を英語で綴ると Age of Aquarius(エイジ・オブ・アクエリアス)、または Aquarian Age(アクエリアン・エイジ、Aquariun Age)になります。
『宝瓶宮福音書』(1908年出版)の原題は、"The Aquarian Age Gospel of Jesus, the Christ of the Piscean Age"です。
直訳すれば、双魚宮時代の救世主イエスの宝瓶宮時代の福音書、でしょうか。
『やさしい魔女―宝瓶宮時代の魔法修業』の原題をみても、"The gentle arts of aquarian magic"です。
ちなみに、「宝瓶宮占星学」を英語で綴るとすれば、Astrology of Aquarian Age で、短縮して「Aquariun Astrology」にしています。
Aquarian ではなく Aquariun というところがミソです。
西洋占星術は、過去に起きた出来事を「占断」するのは得意です。
もっとも、過去に起きたことを「占断」というのか、それとも「検証」や「解釈付け」とするのか、それは別問題です。
西洋占星術を勉強して、星、サイン(宮)、ハウス(室)、アスペクトの象意を知り、コンポジット、シグニフィケーター、リロケーション…といった半分あやふやな解釈手法を知り、さらには、ジュノー、ベスタ、キーロンなど、影響力も弱く象意も定まらない小惑星や、バーテクス、イーストポイントetc.といったさほど重要でもない占星点、また、セスクィスクエア、バイクィンタイルetc.といったマイナーなアスペクトまで、一応は知識として身につけておけば、特にそうなります。
当たり前です。
星をはじめ、占星要素には複数の象意があります。
場合によっては相反する二つの象意を併せ持つものさえあります。
それが何を意味するのかといえば、起きた出来事に、それらの幅広い多様な象意を適用して、複数の解釈手法のどれかを用いれば、だいたいは説明できてしまうのです。
過去に起きた出来事の内容さえ知っていれば、西洋占星術の雑多な知識がある人ほど、ホロスコープから「当てる」ことができます。
それを自分で丸々信じて、未知の出来事や、未来の出来事を占断しようとすると、「あれ?」ということが起こります。
どの象意を当てはめて占断すればいいのか、今度は逆に迷ってしまうのです。
以前、そんな西洋占星術師の姿を、とある「占いバトル」のTV番組で目にしました。
お笑いのような怪しげな占い師も2、3人出演している中で、その西洋占星術師の的中率は最下位だったのです。
マイナーな占星要素や、さまざまな解釈手法を知れば知るほど、確実に占断ができるようになるというのは間違いです。
それよりも、重要な20%の占星要素をしっかりと知って、あとは軽くフォローする程度で80%以上の占断やリーディングができてしまいます。
未来予測においても、それは同様です。
One-Point ◆ 一般人や素人に対してまで、カタカナ専門用語を多用する西洋占星術師やマニアは、要注意です。知識があっても、上の理由で占断できるとはかぎりません。意味内容を本当に理解しているなら分かりやすく日本語で説明できるのです。占断ができない人ほど、小惑星や雑多な占星点に手を広げて、なんとか当てるようになろうとしますが、むしろ逆効果で、それよりも重要なことは、ホロスコープとは何か? を理解することです。
●マイナーな占星要素を使うのは、皆様のご自由です。
宝瓶宮占星学では、象意の強いメジャーな占星要素と、それらの共鳴関係を活用したリーディングで充分に可能だと考えています。
どんなものでも単独ではなく、共鳴関係によって存在するために、そこに新しい象意や解釈が「占星要素」として生まれます。
マイナーな占星要素よりも、メジャーな占星要素の共鳴関係によって生じる象意のほうが強いので「共鳴リーディング」を行なうのです。
マイナーで参考にするのは、比較的象意の強い小惑星のケレス(ただし曲者です)と、アスペクトでは部分的ながら、五分(クインタイル=72度)です。
ドラゴンヘッド、ミューチュアル・リセプションは象意が強く、マイナーとはみていません。
ホロスコープ・リーディングのポイントもそこにあります。
ホロスコープを読むとき、どの象意を適用していけばいいのか。
占星要素の象意はだいたい知ったけれども、どう適用して解釈すればいいのか、実際の占断(リーディング)となると難しいというのが、最初の壁です。
直感的な西洋占星術師なら、「たくさんホロスコープを見て実占し、多くのデータや体験から感覚でつかむしかないよ」というかもしれません。
それも一理あるのですが、未来予測となると難しいのです。
正しいのかどうか、その時が来るまで確認できないからです。
もっとも、未来や将来の本質は、そんなところにはありません。
ホロスコープは、時間を知るための時計と同じように、あくまでも手段や道具です。
時計をいくら分解しても「時間」はそこにありません。
時間の本質を知ろうとすれば、やはり「時間とは何か?」という科学的かつ哲理的な命題をまず探究することです。
未来や将来も同様です。
「人間における将来とは何か?」「人類の未来とは何か?」
その本質を理解したうえで、ホロスコープを手段や道具として活用できなければ、正しい未来予測にはなりません。
One-Point ◆ 皆様は大丈夫だと思いますが、ホロスコープを占断すれば何でも分かるとはいえません。西洋占星術やホロスコープの外にある、俗にいう「人生の真実」や「宇宙の真実」を知らなければ、正しいリーディングにならないのは当たり前のことです。
このサイトで頻繁に使われる「ディレクション」には、そういう意味が含まれています。
単なる未来予測を超えた方向性があります。
難しい言い方をさせていただければ、不変かつ変化する「真実」がバックボーンにあるのです。
ちなみに、「真実」は不変であると同時に、時代に沿って変化(発展)していく一面を持ちます。
「霊識」もこれにかかわりますが、現在、さらには現実においては、絶対とはならないのが「真実」です。
古典占星術で「ディレクション」または「ダイレクション」(Direction)」というとき、それは惑星の「順行」を意味します。
一方、「逆行」は、「レトログラデーション(Retrogradation)」、または「レトログレッション(Retrogression)」で天体学でも同様です。
Retrogradation(レトログラデーション)という英語は、「後退」や「衰退」、「低下」や「退歩」を意味します。
Direction(ディレクション)は、「方向」や「傾向」、「管理」や「指示」、また「演出」という意味を持ちます。
主に、未来や将来を指し示す内容で使われるのが「ディレクション」です。
ビジネスでも、デザインでも、テレビドラマでも、「ディレクター」という肩書きがありますが、ちゃんとした意図や目的をもって方向付ける人のことす。
管理、指示、または演出などを行なう人のことですが、それにはバックボーンを持つことが必要です。
宝瓶宮占星学で使う「ディレクション」も、これに類似します。
ただ、人が行なうのではなく、宇宙世界に起因し、星の動きがそれを象わしているために、その目的と方向性を正しく知ったうえでホロスコープを解釈することでみえてくるのが「星のディレクション」です。
トランシットによる単なる未来予測とは、少々異なることは分かりますよね。
宇宙この世界の意図と目的は、新しい宇宙観=クオリアル・ワールドによって理解できます。
その宇宙・太陽系の星を、ストレートにそのまま写し取ったホロスコープを、基礎理論の展開によってリーディングすれば、個人や人類歴史に働くディレクションがみえてくるということです。
One-Point ◆ ちなみに、西洋占星術で「ディレクション」という場合、進行座相を指すことがあります。生まれたときのホロスコープ(出生天球図)ではなく、今後の星や占星点がとるアスペクト(座相や位相)のことで、ふつうはどちらもアスペクトと呼ばれることが多いようです。
●各プラトン月(グレート・マンス)は、約2,160年間続きます。
白羊宮時代、双魚宮時代、宝瓶宮時代…などがそれです。
実際はその時代の体制が確立するまでの期間、そして次の時代の影響圏が始まる期間を差し引くと、正味1,400年間くらいです。
双魚宮時代の場合、時代の体制が確立するまでに、約400年近くかかっています。
また、双魚宮時代の25度、1630年頃から宝瓶宮時代の影響圏に入りました。
双魚宮時代のパラダイム=対立二元論に基づく「支配・被支配」の体制は、このころから壊れはじめます。
現在の宝瓶宮時代は、1989年に始まりましたが、その体制が確立するのは案外と早く、21世紀末頃になるでしょう。
それまでは大転換の時代が続きます。
ちなみに、宝瓶宮時代の次は、磨羯宮時代(まかつきゅう・じだい)で、山羊宮の象意に基づくパラダイムの時代です。
人類歴史に明確な意図や目的、また方向性があるのでしょうか?
以前、西洋占星術の歴史を調べたことがあります。
「宝瓶宮時代と占星術」や「基礎から学ぶホロスコープ」に、その一端を書きましたので、ご説明は省略しますが、プラトン月(グレート・マンス=約2,160年)の流れに基づいて、人類歴史のパラダイムは変化しています。
人類歴史にかぎらず占星学自体も変化していました。
約2,160年のスパンで、双児宮時代 → 金牛宮時代 → 白羊宮時代 → 双魚宮時代 → 宝瓶宮時代…と変化していますが、人類歴史もまた占星学も、それぞれの「○○宮時代」の象意に沿って発展していたのです。
そのため、宝瓶宮時代の訪れとともに、人類歴史も新しく変わっていきますが、西洋占星術も宝瓶宮時代の象意に沿って変わっていくことに気づいて「宝瓶宮占星学」を提示しました。
ホロスコープ解釈の基礎理論の一つ、「数理法則」はすでに使って確証を得ていましたので、新しい宇宙観=クオリアル・ワールドの体系化に、おかげさまでこぎつけることができました。
そこから見えてきたのが、個人を含めて人類歴史の目的と方向性です。
その目的と方向性から、現在は双魚宮時代が終わり、新しい宝瓶宮時代に移行しつつあるときで、宝瓶宮時代の社会体制を築くと同時に、個人の精神意識を目覚めさせていくという、歴史的に重要な段階にあることがみえてきます。
そういった大きな歴史の流れが分かると、具体的な個々の星の動きによる「ディレクション」もまたみえてきます。
これによってはじめて、より正しい未来予測が可能になります。
それが、このサイトで提示している「ディレクション」の背景です。
「ディレクション」の理解は、新しい宇宙観=クオリアル・ワールドを知れば、いっそう深まっていきます。
そういった意味では、宝瓶宮占星学の特徴は確かに「未来占星学」で、トランシット占星術と呼べなくもありません。
宝瓶宮時代は、天王星と共鳴します。
その象意の特徴の一つは、「空間的な広がり」です。
物質世界においては、「大宇宙的な空間の広がり」を象わしますし、社会においては、「国際的な地球規模の広がり」を象わしますし、精神世界においては、「自由な精神意識の広がり」を象わします。
今日の人類歴史もそこにかかわって発展しているのはお気づきのとおりです。
そのため、宝瓶宮占星学も当然、宇宙的、地球規模、意識世界を問わず、広い空間認識をもったリーディングが特徴になります。
One-Point ◆ 双魚宮時代の古典占星術(学)は、かつての共鳴星、木星の象意にそって、古代ギリシャやローマの思想哲学によって体系化づけられました。古典占星術の特徴がそれです。19世紀後半、新たに発見された海王星が共鳴星になると、アラン・レオらによって、理論を捨て去ったオカルトチックな西洋占星術が生まれました。海王星らしく、現実を超越した神秘的解釈の占断が特徴になったのです。
お話を本題に戻します。
生まれたときのホロスコープ(出生天球図)は重要ですが、それ以上に現在また近未来のホロスコープ(未来天球図)は重要です。
なぜなら、より良い未来を生きることで、過去は変わっていくからです。
えっ???
またヘンなこと言い出したゾ、こいつ…。
と、いうところでしょうか。
過去は変わらない、というのは間違いではありませんが、即物的な一面です。
事実の半分しかとらえていません。
過去は変わるし、変えられますし、変えることが、人類歴史の目的に通じる積み重ねで蓄積です。
日々、成長発展する点で、個人も同様です。
過去は変わるし、変えられるし、良い方向に変えていくことに、人生の意義があるのです。
ホロスコープでいえば、「星のディレクション」を正しく知り、活用していくことで、生まれたときのホロスコープ(出生天球図)に象われた性格や運勢を変えたり、レベルアップしていくことができます。
人類歴史も同様です。
人類に働く現在また未来のディレクションを正しく知り、より多くの人々が意識することによって、人類歴史に良い影響を与えていくことができます。
それがこのサイトのホームページ(TOPページ)のリードのタイトル、「人類の未来と運勢を変える星のディレクション」です。
新しいスピリチュアルの動きも、ここにかかわって生じていることは、お気づきのとおりです。
One-Point ◆ 信じる信じないは皆さまのご自由です。この世界は物質しかないというお考えなら、多分、ご理解できないでしょう。現実(物質肉体)世界はもちろん重要ですが、物事をとらえる意識や心象世界も、同等に重要です。両方を活かしていくことが必要です。
今回はここまでです。
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