宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しいアストロロジー―
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●第1稿 : 2022年 5月 1日アップ
水星の逆行には、どんな意味があるのでしょうか?
今年2022年5月〜6月前半のケースを見てみましょう。
4月30日に双子宮に入宮した水星は、双子宮5度の直前で逆行に転じると、牡牛宮に逆入宮したあと25度付近で順行に戻り、6月中ごろに双子宮に再入宮します。
以前、「随感6 逆行についての考察」で、逆行に触れて意味があるものとないものがあると書いておきました。
以前の記事に書いたとおり、水星の逆行についてよくトピが立てられます。
以下に述べる理由で、これまでは興味を示しませんでした。
逆行する星は水星にかぎりません。
太陽と月またその交点のドラゴンヘッド&ドラゴンテールをのぞいて、惑星はすべて逆行するからです。
なのに、なぜ水星のみ逆行に関して頻繁にトピが立てられるのでしょうか?
One-Point ◆ 逆行の頻度はおよそ次のようになります。動きの遅い木星から冥王星までのソーシャル・プラネットは年に1回、地球が追い越すときに約5か月ほど、見た目上ですが逆行しているように見えます。小惑星帯のケレスも同様です。
水星の逆行について、トピが立てられる理由は次の2つです。
1、水星が「神経系統」を象わすため。
2、ほかの星に比べて逆行の頻度が高いため。
一般的には逆行そのものに深い意味はありません。
ただ水星の場合は、「神経系統」に強めに象意を受けている一部の人に、後述する特定の理由によって影響が出ることがあります。
たぶん、ご自分に影響が出ているので、ほかの人も同じだろうと思ってトピを立てることがあるようです。
One-Point ◆ 若い人ほど水星の逆行を特別に受ける時期にそうなりやすいのです。ただし、水星の逆行がすべてそうだとはなりません。年齢や人生経験を重ねていくほど影響を受けにくくなり、以前ほどは感じなくなっていくのがふつうです。
つまり、水星は「神経系統」を象わし、「逆行の頻度」も比較的高いので、一部の人がナーバスになりトピが立てられるようです。
ホロスコープ(出生天球図)で水星の象意が突出していたり、逆行する位置によって「水星のデレクション」(運勢変化)を強く受けるときに、そうなりやすいのです。
水星が象わす年齢域は、社会人未満で学童や学生など若年層です。
そのため、人生経験が浅いのはもちろん、ホロスコープへの造詣も深くないことが多いため、逆行そのものに意味があるかのように勘違いしているのです。
すべてがそうだと断定はしませんが、そういった一部のかたのみです。
One-Point ◆ 本来は「感受性」を象わす月も「神経系統」を象わす水星と同様です。ですが、月は動きが早く「デレクション」の期間も1日前後と短いし、なによりも逆行しないためにトピを立てる機会がありません。
さて、具体的なお話にうつりましょう。
今年2022年に水星は、水瓶宮、双子宮、天秤宮で逆行します。
4月30日に双子宮に入宮した水星は、5月10日に逆行に転じ、同月23日に牡牛宮に逆入宮すると、11日後の6月3日に順行に戻り、さらに11日後の6月14日に双子宮に再入宮します。
この前後、牡牛宮24度前後で、土星に下方矩(ロウアー・スクエア=90度)をとり、牡牛宮28度で冥王星に下三分(ロウアートライン=120度)をとって、それぞれ「星のデレクション」(運勢変化)をもたらすため、その影響を強く受けるかたがいます。
ご自分でも気づかず、神経が敏感になって、洞察力が強まるなど、詮索を深めたりナーバスになることがあります。
適切に活かせれば、ウラ事情を見抜くなど発見や気づきによる方向転換が可能になります。
One-Point ◆ その点では相応に意味のある逆行です。水星の影響を受けやすい若年層のかたがメインですが、社会人でもホロスコープ(出生天球図)次第で、当該デレクションの影響を受けますので活かされてください。
以上、ポイントのみお届けいたしました。
すべての人が水星の逆行の影響を受けるわけではなく、一部の若いかたが多く、しかもケース・バイ・ケースによる一時期のことなので、それもトピに関心を示さなかった理由です。
「星講座-水星編」を配信している手前ご説明いたしました。
水星にかぎらず「星の逆行にはどんな意味があるのか」といったご質問を受けることもあります。
その場合、逆行そのものには大きな意味はないので、通常どおりリーディングをすればよいとお答えしています。
そのさいに、逆行に転じるときや順行に戻る「留」(ステーション)の時期に、ほかの星との位置関係によっては長めにアスペクトをとることがあります。
その場合は当然、ホロスコープ(出生天球図)によっては、をふだん以上に「水星のデレクション」を受けやすくなることは起こりえます。
One-Point ◆ 逆行に何が特別な象意があるかのように感じる根本原因は、現代占星術に基礎理論がないため、象意を丸暗記するしかなく、応用展開ができないためです。それが”星読み”に挫折していく最大の原因になっています。
【付記:「星講座 Vol.4」の受付延長について】
次の「水星」の蟹宮への入宮は、7月5日になります。
2か月間ほど逆行によって双子宮に留まるためです。
「星講座 水星編」はその間お休みなので、「星講座 Vol.4 水星編-双子宮」の受付期間をしばし延長します。
総集編的な意味合いの「水星(情報)特集」になっており、多くのかたにご受講いただきたい内容が含まれているためです。
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