宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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尖閣諸島の久場島(くばじま)沖、北北西約12キロメートルの海上で、2010年9月7日、中国の漁船と海上保安庁の巡視船が接触しました。
海上保安庁は、公務執行妨害で中国人船長を逮捕。
これに対して、中国側は猛反発を繰り返します。
事件の真偽や、その後の一連の動きは、どのようにホロスコープに現れていたのでしょうか? 宝瓶宮占星学理論による新ホラリー占星術でみてみます。
写真上:石垣島に連行される中国漁船。
写真下:接触した巡視船の船体部分。
●第1稿 : 2010年10月01日アップ
※追記 : この記事は、YuoTubeへ衝突ビデオが流出される1か月前にアップしたものです。
ビデオ流出が同年11月4日21時頃、この記事が10月1日です。
流出したビデオ映像からも、その後の経過からも、ここに書いたリーディングの内容と同じであることが分かります。
事の次第が明らかになった今では、リーディングが当たりすぎるほど、後で書いた記事のようにみえて、面白味がありません。(泣)
まず最初に、事件の経緯を振り返っておきます。
尖閣諸島は、どこの国にも所属していないことを確認した上で、1895年1月14日以来、日本国沖縄県に編入され、日本人が住んでいました。
1940年、戦争によって工場が閉鎖され、無人島になり、敗戦によって日本はGHQの占領下に統治されました。
1969〜1970年の国連調査により、石油埋蔵の可能性が報告されると、1971年に台湾と中国が相次いで領有権を主張。
直後の1972年、沖縄返還と共に沖縄県であった尖閣諸島も、支配下から日本政府に返されます。
時は移って、2010年9月7日、尖閣沖で違法操業する中国漁船に対し、海上保安庁の巡視船が退去警告を発したところ、中国漁船は午前10時15分頃、巡視船「よなくに」に、10時56分頃「みずき」に相次いで接触。
同0時55分に立ち入り調査を行い、翌8日未明になって中国人船長を逮捕し、石垣地検が取り調べを始めました。
これに対してネットなどで中国人が反発。
「日本の巡視船のほうが漁船を沈めようと故意にぶつかってきた」と主張し、「船長を帰せ!」と中国政府の対応にも弱腰であると批判を始めました。
政府批判を極力避けたい中国政府は、そのあとは皆様もご存じのとおり強硬な声明と態度を続け、結局、ビビった格好で日本側が25日に石垣地検が「今後の日中関係を考慮する」との政治判断をして、処分保留のまま船長を釈放しました。
その後も、中国政府は日本に対して損害賠償を要求するなど批判は止みません。
One-Point ◆ 笑ってしまうのは、政府外交の稚拙さと、法的素養のなさです。鳩山首相は普天間問題でアメリカとの関係を悪化させ、菅内閣は中国との関係を悪化させてしまいました。鳩山首相が「自分ならホットラインで…」とかなんとか言ったそうですが、目クソ鼻クソです。
一方、昨2009年12月、議員143人を含む総勢650人を率いて、大々的な中国詣でをした小沢元幹事長は、事件が発覚するや、代表戦に負けたことにかこつけて、「今度こそ大人しくします」と、さっさと知らぬ半兵衛のお手並み拝見を決め込んでしまいました。
さらに仙谷官房長官は、本来なら「地検の越権行為は遺憾である」とすべきを、「那覇地検の判断を了とする。私の立場からは、それ以上のことを言うべきでない」と政治主導ならぬ司法による外交主導を認め、三権分立に違反する越権行為を容認してしまいました。ウラで何が話されたかはともかく、政権を担うトップのお偉方がこれでは、まだ秋口なのに寒くてあきません。
このページをアップする10月1日は、中国の祝日である国慶節(建国記念日)です。
この日、太陽は土星と共に天秤宮7度にあり、事件当時の土星とも合(0度)位置にあります。
この位置は、中国の民族性に当たる冥王星と矩(スクエア=90度)で対場を異にし、事件当時のIC(北中点)とは三分(120度)で、トランシットの天王星とはギリギリ衝(180度)なので、その後は離れて行きます。
事件がどう動くのか、また動かないのか。
中国がこの後、天王星の象意を発揮して表向き「友好」を打ち出してくるのか、ご参考に、ご自分でもリーディングされてみてはいかがでしょうか。
政治向きのお話に深入りするのはこれくらいで、事件発生時のホロスコープから何がどう読み取れるのかケーススタディをお伝えいたします。ご参考になればと思います。
発生年月日 | 2010年9月7日(火) 10:15頃 |
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事故の現場 | 尖閣諸島久場島沖の北北西約12km (E123.64、N26.03) |
事故の当事者 | 中国漁船、海上保安庁巡視船 |
状況典拠 | 2010.09.29現在の状況です。 |
One-Point ◆ ハウスシステムは、新レジオモンタナスです。ASC(Ascendant アセンダント=上昇点)とMC(Medium Coeli メディウム・コエリ=天頂:南中点)は、プラシーダスやコッホ、またキャンパナスなどのハウスシステムと同じです。他のハウス(室)の境界線が、ここでは0度から3度ほど前に進んでいます。
「中国漁船がぶつかってきた」とする日本側の主張と、「日本の巡視船がぶつかってきて漁船を沈めようとした」という中国側の主張のどちらが正しいのでしょうか。
宝瓶宮占星学理論による新ホラリー占星学(事件事故占星学)では、主導的な犯人側をASC(上昇点)、被害者側をDES(下降点)によってみます。
ASC(上昇点)に始まる第1ハウス(室)が、基本3数の1数にあたる「時間(意志)」を象わすために、どちらが「意志」をもって主導的に事件や事故を起こしたのかみることができます。
ホロスコープをご一読ください。
ASC(上昇点)は蠍宮、DES(下降点)は牡牛宮です。
レクチャールームの「アメリカと中国のサイン(宮)は何?」(追記:一般ページにオープン)のページや、一般の「日本は何座宮?」のページをご高覧いただければ分かると思いますが、「蠍宮」は中国の民族性であり、「牡牛宮」は日本の現体制に当たります。
このことから中国の民族性=庶民側が事件を起こし、日本の現体制=政府側が被害側であることが簡単に読み取れます。
One-Point ◆ お時間があれば、ご参考に「社会風潮を読み解く」の番外編「新ホラリー占星術・序曲」や「ホラリーで読む三億円事件」なども併せてお楽しみください。新ホラリー占星術の一端を解説しています。
とはいっても、ASC(上昇点)とDES(下降点)だけで、あわてて判断するのは早計です。
ホロスコープ・リーディングは一か所の象意だけで解釈するのではなく、他の占星要素や共鳴関係などもみて、複数で判断しなければなりません。
そこでASC(上昇点)とDES(下降点)の共鳴星もみて、状況を把握してみましょう。
犯人側であるASC(上昇点)の共鳴星は、一般に加害者を象わし、その星の位置やアスペクトなどから加害者側の状況などが読み取れます。
蠍宮の共鳴星である冥王星は、事件当時、第3ハウス(室)のカスプ(Cusp=尖点)上にあって、同じく第3ハウス(室)の共鳴星である水星から上三分(アッパー・トライン=120度)を受けています。
これを解釈すると、中国側は冥王星と水星の三分(120度)による抜群の情報収集力や知識、また情宣力をもって接していることが分かります。
もう一つ、感受性を象わす月までもが、冥王星に上三分(120度)をとっていました。
月は大衆です。また感情として表われます。
冥王星に月のアスペクトとくれば、一般に冷静な判断は難しく、中国漁船の船長や中国庶民は、激しく感情的になって対処してきたことが読み取れます。
中国漁船の船長は、死者の墓をも暴いてムチ打つ中国人の民族性(冥王星)と考え(水星)によって、冷静さを失って感情的(月)に海上保安庁の巡視船にぶつけてきたようです。
一度のみならず、「よなくに」と「みずき」の両巡視船に接触したことが、そのことを象わしています。
もっとも、日本側もDES(下降点)牡牛宮の共鳴星である金星は、事件当時、第12ハウス(室)にあって、DES(下降点)自体と衝(オポジション=180度)をとり、火星に合(コンジャンクション=0度)で、海王星に上三分(120度)です。
衝(180度)と火星との合(0度)は、いつもは弱腰の日本側が、珍しく対抗意識や負けん気を発揮したことを象わしています。
また、海王星への下三分(120度)は、日本側が見通しを誤まりやすいことが分かります。
One-Point ◆ 民主党は以前も「偽メール問題」で、海王星のディレクションを受けた永田議員が、舌鋒鋭く当時の政府与党を批判しましたが、勘違いが明らかになって議員を辞職。鳩山元首相も海王星のディレクションを受けて「友愛幻想」を抱き、同じく小沢元幹事長も海王星のディレクションを受けて、いまだに数の論理だけで権力を握れる、代表になれると思い込んでいるようです。今回の事件に対する政府与党の対応をみても、海王星の「幻想」に踊らされて、現実がよく見えていない見識レベルのようです。特に外交は「理想」ではなく、現実にそった駆け引きが重要です。
ホロスコープの最下端であるIC(Imun Coeli イムン・コエリ=天底:北中点)は、宝瓶宮占星学理論では、心の深層意識に類するものとして解釈します。新ホラリー占星学では、事件の内面的な深層や動機を象わします。
事件当時、IC(北中点)は水瓶宮です。
水瓶宮は、天皇制に基づく日本の国体を象わします。
確かに、海上保安庁の巡視船の退去警告が事件の発端ではあります。
このIC(北中点)に対して、水瓶宮の副共鳴星でもある土星が、上三分(120度)をとっていました。
この土星はリアル(現実、実体)を象わしますので、事件は偶然ではなく、領土保全の正当な行為が退去警告となりました。
さらには、この土星とIC(北中点)水瓶宮の共鳴星である天王星の二つの星は、加害者を象徴する冥王星と事件当時、Tスクエア(90・90・180)を形成して立場の違いを際立たせていました。
これで事件の深層や動機には、中国人の民族性による日本への根深い対立意識や恨みが関わって、根底にあったことが読み取れます。
一方、ホロスコープの最上端であるMC(南中点)は、宝瓶宮占星学理論では対外的な現実を象わします。
新ホラリー占星学では、事件の外面的な状況など現実面を象わします。
MC(南中点)は獅子宮です。
獅子宮は、漢民族や中国文化の思想が最も価値があり、世界の中心であるという中華思想に基づく中国の国体に当たります。
従う者に対しては親切であっても、帰順しない異民族に対しては、「化外の民」(文化のない蛮族)として、犬畜生のように扱う尊大さを持ちます。
このMC(南中点)には、拡大や拡張を象わす木星と、突発性などトラブルや転回を象わす天王星が上三分(120度)をとっていました。
多くの事件や事故のホロスコープを作成して、新ホラリー占星学で検証した結果、大きな事件や事故のほとんどに木星の三分(120度)がみられます。
このことをみても、木星が「大吉星」とは限らずケース・バイ・ケースであり、またトライン=120度が「大吉座相」でもないことが分かります。
いずれにしても木星と天王星の上三分(120度)は、事件が予想以上に拡大発展し、世界的に大きく波及していくものであることを象わしていました。
同時に、天王星は、冥王星のように根本からの変革ではないものの、立場が変化することなど、今後の転回を秘めていることにも注目です。
One-Point ◆ 木星の上三分(120度)がなければ、ここまで大きく世界が注目する事件にはならなかったでしょう。事件後、被害者側を象わすDES(下降点)牡牛宮の共鳴星である金星は、加害者側であるASC(上昇点)の蠍宮に入宮してしまいました。これでは、残念ながら犯人側の手の内に入ると同時に、さらに対立を深めるしかありません。もっとも、IC(北中点)に上三分(120度)をとる土星が、その後の事件の沈静化を図り、深層にしこりを残すことを意味しています。
※四つの基本点を中心とした主なポイントのみをお伝えしました。これらは最も象意の強いポイントであるために、正しく読み解けば、他の各ハウス(室)の仔細な意味にこだわるあまり、大きく読み誤まることにはならないでしょう。
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