宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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「西洋占星術」は、19世紀後半にはじまった「新興宗教」だった?
少しオーバーな表現ですが、実は、半分は当たっている側面があります。
「神の知に関する組織」によって、それは新たにはじまったからです。
●第1稿 : 2015年 6月27日アップ
初歩に立ち戻って書いておきます。
「西洋占星術はなぜオカルトか?」などと題すると、西洋占星術の「信者」さんから怒られそうです。
かつて「西洋占星術は科学だ」とおっしゃられる「13星座占い」の西洋占星術師さんがいて、何を根拠に「科学」というのか、理解ができませんでした。
今、思えば、それって「なんでも自分がイチバン」とおっしゃるどこかの国と同じで、逆に「オカルト」の証拠だといえないでしょうか。
西洋占星術がオカルトかどうかは、後述するとして、そのはじまりである「古典占星学」は「疑似科学」でした。
「疑似科学」というのは、科学のようで科学はでないということです。
もっとも、この世は科学がすべてではないのも事実なので、「だからナニ?」ってなもンです。
古典占星学が「疑似科学」だというのは、「古代ギリシャの世界観」や「思想哲学」によって解釈され、体系づけられたからです。
それゆえ、2,000年以上前の当時の古典占星学は、「最先端科学」でした。
もちろん、今の科学からみれば「最先端」でも「科学」でもありません。
17世紀のガリレオ以降、実験による客観的な科学的手法が確立されるにつれて、「古代ギリシャの世界観」や「思想哲学」は、次第に「疑似科学」と位置づけられていきました。
そういうこともありまして、確かに当時は「最先端科学」だった「古代ギリシャの世界観」から体系づけられた「古典占星学」は、かつては「科学」でも、現代では「疑似科学」ということになります。
それは、古典占星学には、ちゃんとした「理論的根拠」や当時の誰もが納得する「裏付け」があったからです。
その点、理論も裏付けもない現代の「西洋占星術」とは、まったく異なります。
西洋占星術を「科学」と呼ぶのは、頭オカシイ…。
正直なところ、もはや西洋占星術は「正体不明」です。
ただし、過去に「当たった(ことがある)」という歴史的な実績から、今も生き残っています。
ですが、19世紀後半にはじまった現代の西洋占星術には「根っこ」といえるものがなく、理論的根拠がないために、一般的には「オカルト」というしかありません。
「オカルト占星術」というと印象がよくないので、「神秘占星術」または「秘境占星術」と呼んでおきましょうか。
それはともかく、「古典占星学」をふまえ、かつ「最先端」を自認する現代の西洋占星術者たちは、「自分たちはオカルト占星術や秘境占星術ではない。それはルル・ラブア師をはじめとした一部の西洋占星術だ」というでしょう。
五十歩百歩です。
なぜなら、古典占星学自体が「疑似科学」ですし、「最先端」の西洋占星術解釈やノウハウにしても、そこには誰もが認める「なぜ、星から地上のことが分かるのか?」という問いに答えられる明確な理論的根拠や裏付けがないからです。
One-Point ◆ 西洋占星術は、今も「火、地、風、水」といった「古代ギリシャの世界観」に基づく解釈を続けています。そのような「四大元素説」は、つい最近、17世紀〜18世紀まで信じられていました。この「四大元素説」から、四角いホロスコープが生まれ、同時に、12サイン(宮)も「火、地、風、水」という4つの元素(エレメント)によって区分されました。その解釈を今も西洋占星術は続けているのです。常識ある人なら、「時代錯誤」と考えるのがふつうです。
かの「古典占星学」の理論体系は、1781年3月、天王星が発見され、1801年1月にケレスが発見されることによって壊れました。
古典占星術が神通力を失って65年後、1846年9月に今度は海王星が発見されます。
これによって世界に新たな潮流が芽生えました。
1つは、20世紀を席巻した即物的な「共産主義思想(マルクス主義)」です。
もう1つは、降霊術などの心霊ブームで「神秘主義(スピリチュアリズム)」です。
現代の西洋占星術は、後者によって生まれ「復活」したのです。
天王星の発見によって、「古典占星学」が理論的根拠を失ったのち、「理論なんていらない。なぜなら、万能の神(神霊)は、人間の理論や知能では説明できないではないか」とする霊媒師マダム・ブラヴァツキーをはじめとした神秘主義信奉者(スピリチュアリスト)の中から、かつての古典占星学(術)に対しても同様に、小難しい理論をすべて捨て去り、「当たる・当たらない」の観点から、ごくシンプルにした直感(霊能?)による理論なき現代西洋占星術がはじまります。
その人こそが、「現代西洋占星術の父」と呼ばれるアラン・レオです。
彼は、人間の「神秘(霊、直感)の力」のほうが、理論よりも何よりも優れているとする「神智学協会」の「占星術支部(ロッジ)」から雑誌「アストロロジャーズ・マガジン」によって、新しい占星術を広めます。
彼らの上述の主張の半分は正しいとしても、それが「すべて」ととらえたゆえに、神智学協会は間違いなく「オカルト」なのです。
英語で「神智学協会」は、「Theosophical Society」(セオソフィカル・ソサエティ)といいます。
「Theo」は「神」。
「sophical」は「智」、哲学を意味する「愛智(philo-sophy)」から「愛」を抜いたものです。
プラスして、「神智学協会」。
分かりにくいので、平たくいえば「神の知(知恵)に関する社会組織」とでもいいましょうか。
思想や学術を装っていますが、要は海王星が発見された前後の時代に、日本でもそうですが世界的に沸き起こった「新興宗教」ブームの一派にほかなりません。
一目で宗教団体と分かるように「○○教」といった命名をしていないだけで、「○○学会」や「○○統一神霊協会」といった名称と同じで、「神智学協会」というわけです。
良し悪しは関係がありません。
ここで言いたいのは、理論(弁証法)による科学的唯物論を自称する「共産主義思想」が起きる一方で、理論や科学を否定した唯神論(唯心論)の「神智学協会」が発足し、その「占星術支部(Astrological Lodge)」から「復活」したのが、現代の「西洋占星術」だということです。
One-Point ◆ アラン・レオに対しては、正統派の古典占星術から批判が多く上がります。ただし、復活と大衆化の功績は否めません。その後、西洋占星術は、古典占星学の解釈の一部を付加しながら、どう解釈すべきかを含めて、ブームになります。そのため、今もさまざまな解釈が乱立していて、「西洋占星術は大きく混迷している」というのが現状です。
※最近では、19世紀の発見当時と同様に、海王星が魚宮の影響圏(2009年)に入り、さらには魚宮に正式に入宮(2012年)したことによって、宝瓶宮時代ながら「スピリチュアル・ブーム」が生じています。そのため、「スピリチュアル占星術」といえば聞こえはいいのですが、「オカルト占星術」の傾向が一部で復活しています。
●西洋占星術は「統計」だという西洋占星術マニアや研究家がいます。
本当ですか?
「統計」というからには、数字やデータがあるはずです。
太陽サイン(宮)にかぎらず、月サイン(宮)は云々と…。
そんな数字データはありませんし、とった人もいません。
結局、西洋占星術は「統計」だというのは、「ウソ」なのです。
ご参考に、ある病院で、男女の産み分けや、妊娠しやすい時期などを患者さんから部分的に統計をとった人はいます。
だからといって、西洋占星術全般に対する統計ではありません。
第一、「統計」というのは、どこをどのように切り取ってデータを集めるかで、結果は大きく変わります。
つまり「統計」は、もっともらしいウソをつけるのです。
「統計」を科学や、絶対正しいとするのは間違いで、基本的に「統計」は、データ収集や集計する過程において、集計者の「仮説」や「直感」が働きます。
それが、数字の裏付けをともなって、両者が両立したとき、正しい統計になります。
西洋占星術に「統計」と飛べるほどのデータはありませんが、優れた西洋占星術師の「直感」はありますので、それを統計だと強弁しているのです。
理論的根拠を失った西洋占星術ですが、歴史的に「当たる」ことがあるという実証によって命脈を保っています。
それは、ホロスコープを理論的に正しく解釈しきれていないというだけで、何らかの「宇宙の秘密」がホロスコープの中に隠されているからです。
西洋占星術研究家の中には、ホロスコープ解釈の根拠を、「星座」や「神話」の中にあるかのように説く人がいます。
ホントでしょうか?
ホロスコープで「牡羊座」(正しくは「牡羊宮」)といえば、それは現在の「うお座」の位置をいいます。
逆にいいますと、夜空の「うお座」は、ホロスコープの中では「牡羊座」(牡羊宮)になるのです。
毎年、ニュースなどで話題になる「しし座流星群」というとき、ホロスコープの「獅子座」(獅子宮)」に流星が現われるのではなく、ホロスコープの「乙女座」(乙女宮)の位置になります。
結局、人間がかってに決めた「星座」や「神話」の中に、ホロスコープの解釈の根拠はありません。
なぜ、もっともらしく聞こえるのかといいますと、「星座」や「神話」のお話の中から、「サイン(宮)」の象意と一致する部分をピックアップして語っているというのが本当のところです。
つまり、最初にサイン(宮)の象意ありきなのです。
さらに申し上げますと、「星座」や「神話」の中に、サイン(宮)の象意と似た要素があるのは、「古典占星学」が体系づけられた古代ギリシャ時代に、「星座」や「神話」のお話が「脚色」された部分があるためだと考えられます。
つまり、「マッチポンプ」なのです。
2,000年以上前の出来事なので、そのことに気づいていないのです。
One-Point ◆ 「自らマッチで火事を起こして、あおりながら、それを自らポンプで消すこと」を「マッチポンプ」といいます。いわゆる「自作自演」です。当時の「古典占星学」は、知識人なら誰もが学ぶべき「最先端科学」でした。それは古代ギリシャにかぎらず、現代西洋医学が発達する直前の近年まで続きました。あのノストラダムスでさえ、医学の学位を取得するために、モンペリエ大学で「古典占星学」を学びましたが、結局、修了していません。「古典占星学」に関していえば、近年まで医学でも重要な分野をなす学問(疑似科学)だったのです。
さて、西洋占星術は本当に「オカルト」だといえるのでしょうか。
それは、次の問いから分かります。
「なぜ、空の星から地上の出来事が分かるの?」
誰もが納得できるように答えられますか?
答えられなければ、理論的根拠がなく「信じている」だけの「オカルト」です。
ちなみに、「信じる」ことや「オカルト」が、悪いと言っているのではありません。
何を信じようと、他者の自由や権利を侵害しなければ、それは信教の自由に属するお話で、問題はありません。
実際、100%ではありませんが、ホロスコープを正しく解釈することで、個々人の性質や運勢、また人類に起こる出来事を言い当てることができます。
それは、どうしてかというと、次の3点に要約されます。
1、「ホロスコープ」の中に「宇宙の秘密」が隠されている。
2、約2,000年間の試行錯誤の蓄積がある。
3、「西洋占星術師」個々人の力量や資質によって。
「なぜ、空の星から地上の出来事が分かるのか?」という問いに、理論的に答えられない以上、結局、西洋占星術は「オカルト」です。
また西洋占星術研究家は「オカルト研究家」と呼ばれても仕方ありません。
何を言いたいのかというと、いくら「古典占星学」を含め最先端の一見「理論然」とした西洋占星術を学び、頭で知ったとしても、上述の「根本命題」に答えられない以上、無意味とまではいいませんが、「秘境占星術」(オカルト占星術)です。
もっと平たくいえば、いくら古典占星学や西洋占星術の専門用語やノウハウや解釈法を学んで知っていたとしても、小難しいカタカナ専門用語を使って依頼者をケムにまくのに役立ちますが、それが優れた西洋占星術師であり、また「当たる」とはかぎらないということです。
それよりも、結局は、上記3に書いた「西洋占星術師」の力量、すなわち「術」の力、つまり「マスター(師)」の度合いによって、最後は「当たる」かどうか、ピンキリのバラつきが生じてきます。
西洋占星術を学んで「当てる」ようになりたい方は、このことに留意されておかれると、間違いにくいでしょう。
One-Point ◆ もっともらしい理論や専門用語や解釈法を教える西洋占星術は、一見、プロっぽく思えるものの、根っこのない「知識」に偏ったハンパな西洋占星術者になりかねません。本物の「マスター(師)」、すなわちプロの「西洋占星術師」とは別物です。いわば「西洋占星術マニア」にすぎません。むしろ、彼らが「秘境占星術」(オカルト占星術)だと誹謗したルル・ラブア師のほうが、「吉凶解釈」を抜きにすれば、はるかに「術」の力は高く、「マスター(師)」であり、パーソナルな占断では、よほど「当てる」ことができました。
●西洋占星術師の適性があるかどうかは、ホロスコープ(出生天球図)から相応に分かるそうです。
ウソかホントか、西洋占星術師100人のホロスコープを分析したところ、次のような結果が出たといいます。
1、天王星が活性…100人中100人
2、海王星と冥王星…100人中100人
3、水星が活性…100人中94人
4、冥王星が活性…100人中92人
5、海王星が活性…100人中86人
だいたい、いい線をいっています。
要は、どれだけ占星術に興味をもって探究するかということで、天王星(水瓶宮)、冥王星(蠍宮)、水星(乙女宮)がベスト3です。
別格として、興味を持つ点では、海王星(魚宮、第12ハウス)がダントツです。
なので、天王星+海王星、冥王星+海王星、水星+海王星が、ご本人のホロスコープにおいて活性化し、強く象意を発揮していれば、下手の横好きかどうかはともかく、興味を持って探究するタイプになりますので、いずれ適性が出てきます。
もっとも、その大前提として、ご本人の太陽サイン(宮)やその象意が活性化していて、「星占い」でもそこそこ当たっている人が、興味を持つということになります。
「なぜ、空の星から地上の出来事が分かるのか?」
この問いに答えることができる「西洋占星術師」また「西洋占星術研究家」は、多分いません。
もっとも西洋占星術師は「占い師」なので、当たればいいのです。
ですが「西洋占星術研究家」は、答えられなければなりません。
それだけではなく、西洋占星術は「オカルトではない」というのであれば、なぜホロスコープは12サイン(宮)や12ハウス(室)によって構成されているのか、またサイン(宮)やハウス(室)や星やアスペクトの象意は、なぜそのようになっているのか、理論的に説明できなければなりません。
それができない以上、結局、「理論的根拠」がなく、また「統計」でもなく、経験や蓄積に基づきつつ、理屈を超えた「感性」や「直感(霊感)」を含めた「術」の力による「占断」しか西洋占星術に道はないというほかありません。
むしろ、それが西洋占星術です。
いくぶん誇張していますが、「学」と名乗るのは矛盾するのです。
そういったことを含めまして、自覚がないまま、もっともらしく語ることを「オカルト」といいます。
「西洋占星術」と「西洋占星学」はどこが違うのか、「「術」と「学」のど〜でもいい違い」に書きましたが、見事に言い当てられる確率の高い「西洋占星術師」は、優れた「芸術家」と同じで、パーソナルな「術」の力を身につけています。
一方、十把ひとからげに語れませんが、「西洋占星術研究家」というのは、一応は古典占星学や西洋占星術の知識を知った「評論家」と同じです。
実力や才能のある「芸術家」といった「師(マスター)」とは、別の「職種」です。
彼らのお話から「知識」は身につきますが、それを学んで、どこまで占断が「当たる」ようになるのかは別問題です。
カンタンな「基礎知識」を身につけた以上は、個人的なセンスや才能など、「術」の力の問題になります。
結局、そういったオカルト的要素が強いのが現代の西洋占星術です。
なので、たとえ「秘教占星術」と揶揄されようとも、100%は人間社会の構造上、当てることは不可能ですが、当たる確率の高かったルル・ラブア師の占星術こそが、西洋占星術の「正統」だったのです。
※ただし宝瓶宮時代の現在は、「新しい西洋占星術」に移行する時代です。
これから西洋占星術を学ばれようとされる方はもちろん、どの西洋占星術師に占ってもらおうかと考えておられる方は、西洋占星術の理論理屈はそこそこに、素直に「当たるか、当たらないか」でご判断されたほうが、よっぽど正しい「先生」につくことができます。
そういうオカルトが現代の「西洋占星術」だからです。
One-Point ◆ ちなみに、宝瓶宮占星学について書いておきます。「なぜ、空の星から地上の出来事が分かるのか?」この問いに、基礎理論の「数理法則」から答えることができます。ただし、現代科学がまだまだ発展途上にある以上、最先端科学だけでお答えすることはできません。ですが「相対性理論」や「量子論」に合い通じるものがあるために、簡単な「数理」による「法則」でもって、答えられるのです。では、なぜ最先端科学では答えられないのかというと、それは科学の対象が、人間が持つ精神意識や心といった霊性面を「アンタッチャブル」なものとしているためです。それではホロスコープが持つ「全人格的」な側面や「人類歴史」の部分を説明したり解き明かすことはできないのです。
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