宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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かつての古典占星術と、現代占星術では、ホロスコープのとらえ方が異なります。
現代の西洋占星術師や西洋占星術研究家をみても、とらえ方は曖昧なまま、大方はオカルトチック(神秘的)な「吉凶解釈」に終始しているようです。
では、宝瓶宮占星学のホロスコープ理解はどのようなものでしょうか?
●第1稿 : 2010年 7月27日アップ
ホロスコープを正しくリーディングしようとするとき、「ホロスコープとは何か?」ということを理解しておくことは重要です。
さほど気にかけていない西洋占星術師や西洋占星術研究家も少なくないのですが、そのこと自体が「オカルト」であることを意味しています。
オカルトや娯楽ものを除けば、どんな作品でも何をテーマにした作品か分からなければ、表面的な感想や理解しか持てません。
絵画を一例に挙げてみましょう。
後に共産党員になったピカソの大作「ゲルニカ」がそうです。
一見、単なる抽象画です。
何も知らないまま見れば、わけの分からない大きいだけのマンガのような絵です。
しかし、第二次世界大戦中、祖国スペインの小さなゲルニカ村が、史上初めて無差別空爆をナチス・ドイツから受けます。
手の届かない空からの攻撃ですから、対抗もできずに、3分の1もの村人が亡くなりました。
これに対して、わずか1か月で描き上げたのが「ゲルニカ」です。
ピカソ自身が言うように、「軍事力に対する恐怖感」、「戦争に対する防御と敵への攻撃の手段」という意味を込めたもの、であることを知れば、錯乱したような抽象画ゆえにこそ、「恐怖感」や「怒り」、「混乱」や「死」を感じ、理解することができます。
見方や解釈の仕方が、劇的に変わってくるのです。
ホロスコープも同様です。
「ホロスコープとは何か?」を知らなければ、表面的な「当たる・当たらない」や「吉凶解釈」に終始してしまいます。
本質的な解釈やリーディングができないと思われませんか?
古典占星術はともかく、現在、一般に流布されている西洋占星術で、ホロスコープの本質に言及したものをほとんど見たことがありません。
せいぜい「ホロスコープとは、ある個人が誕生したときの天の状態――すなわち、本人の出生地を観測地点として、地球を取り巻く星座や惑星がどのような状態で天に配置されていたかを、そのまま図に表したものです」(『占星学』ルル・ラブア著)といった程度です。
これは表層的な説明だし、間違っている部分もありますが、まだ真面目に応えようとしているほうです。
他の著者の中には、自ら西洋占星学研究家と名乗りながら、「ホロスコープとは何か?」について一言の説明もなく、「ホロスコープありき」から書き出しているものさえあります。
One-Point ◆ いきなりサイン(宮)や星の個々の象意解釈やノウハウだけを書きすすめているのです。そういった深さのない技術だけの西洋占星術を学んでも、どこか浅いホロスコープ理解になるので、正しいリーディングができるようになるとは思えませんが…。
1年間の出来事を予測するときに、その年の春分時のホロスコープから占断する手法があります。
これだとネイタル・ホロスコープ(出生天球図)と同様に、円形のホロスコープで充分です。
しかし、未来予測の一つ1年1度法といったプログレス法と同様に、これは占星学の基本スタンスから外れた手法だといわざるをえません。
中国の占法などと違って、占星学は実星によってリーディングするのが基本スタンスだからです。
どちらが良いとか悪いとか、「当たらない」とかいうのではなく、13星座占いと同様に、正統的な占星学とは違うというだけの意味です。
宝瓶宮占星学では、「ホロスコープ」は四角でも、円形でも、ライン状でも、立体でも何でもよいと考えています。
それらはホロスコープの表現方法であって、本質ではないからです。
机上の図形が本当のホロスコープではないために、リーディングの目的や用途に応じて、ホロスコープの表現形態は自由に変えていいのです。
事実、出生時のネイタル・ホロスコープ(出生天球図)の場合、また質問の時間や事件や事故の時間によってリーディングするホラリー・ホロスコープ(時事天球図)などの場合、時間の経過をみなくてよいために、空間位置を主軸とした円形のホロスコープが便利です。
しかし、社会全体の来年の予測など、年単位にわたる未来予測などにおいては、この円形のホロスコープだと時間軸をとりづらいために、不便このうえありません。
1〜2か月程度であれば、1時間ごとや1日ごとのアニメーションによって次々と星の位置が動き、それに伴って刻々とアスペクト・ラインが変化していく占星術ソフトがありますので、それを使えばまだ便利です。
しかし、1年単位で星の動きを把握しておく必要がある未来予測リーディングでは、それも不便です。
そんなときは、時間軸を持つライン状の「ホロスコープ」が便利です。
One-Point ◆ 一例を左下の欄外に挙げておきました。このようなホロスコープ作成ソフトがあるのかどうか知りませんので、オリジナルでの制作です。これだと時間軸に沿って、惑星のスピードや逆行の状況がグラフィカルに分かるので、1年間の全体の星の動きが一目瞭然です。
上の図は、1年ごとの未来予測や年間の全体的な星の動きを把握するためにオリジナルで作成しているライン式のホロスコープです。
動きがほぼ決まっている太陽と、動きの早い月は除外しています。
縦に3つごとのサイン(宮)=90度の度数軸、横に5日ごとに365日の時間軸をとっています。
星の動きを示すラインは、通過するサイン(宮)ごとに4種類で色分けしています。
また、社会全体の未来予測だけはでなく、出生時の太陽などの度数を横にとれば、トランシットのラインと交わる時期が合(0度)、矩(90度)、衝(180度)になります。
上下の同じ色の位置は、三分(120度)になりますので、主なディレクションを一目で把握できます。
一般に「ホロスコープ」と呼んでいるのは、実は単なるツール(道具)に過ぎません。
ツール(道具)なので、目的と用途に応じて使いやすいように改良していけばよいものです。
事実、「ホロスコープ」は時代とともに変化してきました。
これまでの「基礎から学ぶホロスコープ」でも、その変遷をみてきたとおりです。
であれば、現在、一般に使われている円形のホロスコープが最終形でも、またベストなものともかぎらないといえます。
「ホロスコープ」の表現形態は、四角でも、円形でも、ライン状でも、立体でも、何でもかまいません。
「ホロスコープ」は、時の見張り番なので、時間と星の位置関係が必要に応じて正しく分かれば、どんな形でもいいのです。
例えば、時計もそうです。
デジタルでもアナログでも、腕時計でも置時計でも、また電光掲示板でも柱時計でも、正しい時刻が分かれば、形は付属的なものだということです。
もっと長いタイムスパンでみれば、カレンダーでもよいことになります。
実は、ここにホロスコープの本質があります。
「今、何時ですか?」
そう質問されて、体内時計によって正確に何時何分何秒と答えられる人は、まずいません。
身近にある時計を見ます。
今であれば、パソコンの時刻表示を見るかもしれません。
それぞれです。
では、時計を見ることで「時刻」が分かるからといって、時計が「時間」を創り出しているのでしょうか?
時計と「時間」は、別の存在です。
時計は「時刻」を知り、「時間」を表わすツール(道具)にすぎません。
机上の「ホロスコープ」も同様です。
「ホロスコープ」は、太陽系の星の配置や動きを表わすツール(道具)であって、時間同様、本質はそこには存在しないのです。
One-Point ◆ 重要なので繰り返しておきます。時計は「時間」を知るツール(道具)です。カレンダーは「日付」を知るツール(道具)です。机上の「ホロスコープ」も同じように、太陽系の星の動きや配置を知るツール(道具)です。「ホロスコープ」が表わす太陽系は何を示すのか? ということが重要なのです。それを知らずして正しいホロスコープ・リーディングはありえません。
物質の時計によって、見えない時間、すなわち時刻を知ることができます。
太陽系宇宙空間を机上に「ホロスコープ」化することによって、見えない宇宙の意図、すなわち未来や運勢などをリーディングすることができます。
机上の「ホロスコープ」の中にすべてがあると思って、一生懸命に解釈を学び、占断を繰り返しても、結局のところ、それはむなしい作業にほかなりません。
時計によって「時刻」が分かるからといって、一生懸命に時計を分解して、仕組みを理解しても、そこに「時間」の本質を見つけ出すことはできないのと同じです。
「ホロスコープ」も「時刻」を表わす時計と同じなので、「時間」に類する本質は、他から見出さなければなりません。
このことに気がつけば、机上の「ホロスコープ」の元となる本物のホロスコープの存在に気づきます。
それが宇宙、太陽系です。
書いている意味はお分かりでしょうか?
机上の「ホロスコープ」は、太陽系の星の動きや配置を便宜的に模したものにすぎないわけです。
目的や用途に応じて、見やすく、また読みとりやすいように簡略化したものが、一般にいう「ホロスコープ」や「チャート」にほかなりません。
本物のリアル・ホロスコープは、生きて動く太陽系なのです。
こういうことが分かれば、「ホロスコープとは何か?」という根本命題は、実は「太陽系とは何か?」「宇宙とは何か?」ということが分かります。
リアル・ホロスコープである宇宙太陽系は、人類にとって何を意味するものなのか、その「謎」を解くことが、正しいホロスコープ・リーディングにつながります。
その一端やヒントは、すでに「宝瓶宮占星学-3バックボーン」に記しておきました。
お正月プレゼンツ「宝瓶宮時代と宇宙意志」や「宇宙存在-人の生きる理由」、これに続く「ホロスコープとサインの真実」などです。
One-Point ◆ 宝瓶宮時代は、世界的な友愛社会を築いていく時代です。一方で、天王星と共鳴して関心や活動の範囲を大きく拡げていく時代です。空間的には「宇宙時代の幕開け」を意味します。宝瓶宮時代のビックバン直後の1990年、HST(ハッブル宇宙望遠鏡)が打ち上げられ、宇宙開闢(かいびゃく)の謎に迫ろうとしているのも、それゆえです。
右の本文に書いたことをご理解いただければ、次のようなことが見えてまいります。
「吉星」や「凶星」、「吉座相」や「凶座相」といった吉凶解釈は、宇宙や太陽系の存在様相にそぐわないために、まったくのナンセンスであることが分かってきます。
吉凶や善悪の対立二元論は、人類の成長プロセスの中で、規範を理解するために一時的に必要であったとしても、それが「宇宙」の目的でも本質でもないということです。
「ホロスコープ」は、宇宙太陽系や地球の「宇宙胎内システム」を模したものであるために、保護や存続、共鳴や成長が、そこに秘められています。
「ホロスコープとは何か?」ということは結局、宇宙や太陽系とは何か? ということを解き明かすことです。
その答えは、将来的には物理科学的な解明も可能になっていくでしょうが、そのためには、今日の科学の範囲を超えて、見えない世界と物質の関係性(共鳴)にまで研究を広げていかなければなりません。
実際、最先端の量子力学や理論天文学では、物質と見えない世界の際限に徐々に近づきつつあるようです。
それはともかく、宝瓶宮占星学による宇宙哲理から簡単述べれば、次のようになります。
「時間」の本質は、何らかの意図と目的をもった「意志」の現われです。
宇宙や太陽系や地球など、実体の「空間」は、人を保護し、存続させ、成長をうながす「宇宙胎内システム」です。
そこには共鳴という双方向の「関係」によって、宇宙も人間も「自存波(波動)=見えない力や心」による調和と発展が維持されています。
ちなみに、この調和的な関係を社会学的に表現すれば「友愛」になります。
宇宙や太陽系の本質が、これらにあるために、ホロスコープ・リーディングも当然、このような「成長」「共鳴」「発展」といったキーワードに関わってきます。
具体的なことは述べません。結論は、皆様方がご自由に考えてご判断してリーディングをすればよいことです。
宝瓶宮時代は、宇宙的な観点からホロスコープを解釈していくことによって、新しい時代に相応しい運勢や性格、また人類の方向性や、個々人が生きる方向性を理解していくことができます。
占星学は、古代オリエント占星学から古典占星術へ、そして現代の西洋占星術へ、さらには宝瓶宮時代の新しい占星学へと発展しているのです。
One-Point ◆ ホロスコープに宇宙哲理が秘められていることは、宝瓶宮占星学の基礎理論である数理法則からも、数理的に説明することができます。宇宙や太陽系が何を意味するのかということが分かれば、それを机上に模した「ホロスコープ」にも、何らかの宇宙的な「意志」が隠され、「宇宙胎内システム」として、「共鳴関係」を読み解くものであることがみえてきます。
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