宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

ホロスコープ・リーディング
基礎から学ぶホロスコープ
第6回:基本3数による構成

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ホロスコープ・リーディングに必要な基本3数の理解

先回、「ホロスコープとは何か?」(第5回:宝瓶宮占星学)についてお伝えしましたので、今回は「ホロスコープの構成」についてです。
皆様がご納得できるかできないはともかく、どのようにホロスコープが構成されているのか、宝瓶宮占星学による基本原則をお届けいたします。
結論を先にいえば、宇宙存在世界と同じように、ホロスコープも「時間、空間、人間(関係)」の基本3数によって構成されています。

アインシュタイン

▲相対性理論で新しい時間・空間の概念を説いたアインシュタイン。
(Albert Einstein 1879.3.14-1955.4.18)


●第1稿 : 2010年 8月31日アップ

《 どんな人が「星占い」を信じている? 》

まずは前フリです。
一般に「星占い」を信じている人もいれば、信じていない人もいます。
たとえば、「当たるときもあるし、当たらないことも多いので、偶然だよ」と信じていない人もいれば、「なんかスゴイ、当たってる!」と信じている人もいます。
半信半疑の人もいます。
信じる、信じないは、どちらでもいいのです。
そういう事実がある、という現実が重要なのです。
なぜ、こういう現実が生じるのか、考えたことがありますか?
手品などもそうですが、起こっている現実を素直にとらえて推理すると、案外とカンタンにタネや仕掛けが見えてきます。
たとえば、手の中から百円玉が消えたとしましょう。
驚きです。
しかし、当たり前に考えれば、百円玉が消えて無くなることはありません。
消えたのは、空中に消滅したのではなく、最初から握っていなかったか、どこかに隠したということが考えられます。
最初から握っていなかったのであれば、手の中に置くように見せかけただけで、実はもう一方の手にそのまま残っていたのかもしれません。
どこかに隠したのであれば、かぶせたハンカチにくっつけたとか、ハンカチをかぶせるときにテーブルの下に落としたとか、移動させただけです。
「百円玉が消滅することはない」という事実から現実的に推理すれば、その理由は見えてきます。
「星占い」や「西洋占星術」も同様です。

One-Point ◆ 「星占い」は、出生時の太陽サイン(宮)のみで占います。信じる人は太陽サイン(宮)の象意が強い人です。多くの場合、「星占い」を信じた人が、西洋占星術に関心を持ち、学んだり占ってもらったりします。逆に「星占い」や「西洋占星術」を信じていない人は、太陽サイン(宮)の象意が弱いか、最初から興味を持っていない人です。


●西洋占星術者の語り口

西洋占星術を学んだ人の中には、次のように言う人がいます。
「星占い」は、太陽サイン(宮)だけで占うから当たらないことがある、と。
一見、正しいようですが、この言い方は実は「西洋占星術なら当たる」と、西洋占星術を頭から信じている人の語り口に過ぎないのです。
西洋占星術でも星占いと同じように、信じる人と信じない人がいます。
星占いと五十歩百歩なのです。
結局、なぜかを現実から考えなければなりません。

《 一つだけでは半分も象わすことはできない 》

実は、ここにホロスコープを考える大きなヒントがあります。
太陽サイン(宮)一つで、その人を象わすことはできないという事実です。
西洋占星術をかじったことがある人なら誰でも知っています。
でありながら、西洋占星術研究家や愛好者も、同じような間違いをしてしまうのです。
どういうことかというと、「西洋占星術」だと、案外と信じてしまいやすいのです。
たとえば、ASC(Ascendant アセンダント=上昇点)が何サイン(宮)だから、あなたはこういう性格…、月が何サイン(宮)だから…、水星が何サイン(宮)だから…、と信じて解釈したり占断してしまいます。
意味、分かりますか?
一般的にその人の30%〜35%も象わすといわれる太陽サイン(宮)でさえ、信じる人と信じない人に分かれてしまうのに、ASC(上昇点)一つ、月一つ、水星一つが、何%その人を象わすと思われますか?
カンタンなことですが、比較的、大きな象意を持つ太陽や、ASC(上昇宮)や、月でさえ、一つだけでは、その人の半分も象わすことはできません。
場合によっては、太陽サイン(宮)とASC(上昇点)が正反対だったり、矛盾するような場合さえあるのです。
こうなると、該当率はさらに一段と低くなってしまいます。
そういった事実が、「星占い」を信じる人と信じない人がいるという現実からみえてきます。

One-Point ◆ 話は違いますが、一本足では立つのも大変です。二本足の人間でさえ、転ぶことがあります。それゆえ動物の多くは、四本足で安定を図ります。飛行機も主翼だけではダッチロールをしてしまいますので、水平尾翼と垂直尾翼と、三つがそろわなければ安定した飛行ができません。ヘリコプターも、メイン・ローターだけでは本体も回転して、安定した方向がとれません。結局、この世界は一つだけでは不安定という事実があるのです。


●レクチャールーム

入室には「IDとパスワード」が必要です。


●宇宙存在世界は「基本3数」

この世界は、「時間、空間、人間(関係)」の基本3数から成り立っています。
それがこの宇宙存在世界の原則であり、ホロスコープの基本構成原則なので、サイトの処々で「基本3数」に触れてきました。
この「基本3数」を象意的に展開すれば、「意志、実体、関係性」になります。
分かりやすくいうと「心、体、技能」といえなくもありません。
「意志(心の想い)」だけでも、「実体(肉体存在)」だけでも、「関係性(知識やコミュニケーション技能)」だけでも、1つだけでは現実世界では不安定で、存在することが難しくなります。
2つで可能性が現われ、3つそろって現実的な実在になることを意味します。

《 最低3数(基本3数)によって世界は成り立つ 》

では、西洋占星術を考えてみましょう。
西洋占星術の書籍では、星がこのサイン(宮)にあるときは何々です、あのサイン(宮)にあるときには何々です、と個々に象意解釈が書かれています。
それを、そのまま信じてはいけない理由がお分かりでしょうか?
一般的に太陽より影響力の弱い星たちが、1つのサイン(宮)だけで象わす範囲は、さらに限られてしまいます。
最低2つ、より確実には3つ以上の象意的な裏づけが必要です。
なぜなら、宇宙存在世界は、最低3数(基本3数)によって成り立っているために、3つそろって安定する、あるいは全容に近づくという事実があるからです。
「レクチャールーム」をお読みの皆様であれば、ホロスコープが基本3数によって成り立っていることをご存じでしょう。
このサイトの、たとえば「今週の運勢」などの一般コーナーでも、「通常3つ程度のサイン(宮)があなたの運勢に影響しています」と断り書きを入れているのもそのためです。
また、宝瓶宮占星学研究-9.雑考編-「日本は何座宮?」でも、最低3つのサイン(宮)によって国の象意としています。
これは「レクチャールーム」の「アメリカと中国のサイン(宮)は何?」でも同様です。
3つのサイン(宮)の相性によって国どうしの実際の外交関係をみると、現実の出来事にそっていて、よく理解できます。
宇宙存在世界が最低3数(基本3数)によって成り立っているために、宇宙太陽系を模したホロスコープも基本3数によって構成されています。
ホロスコープ・リーディングも同様です。
1つの星の象意だけではなく、共鳴し合う関係を含めて2つ、あるいは3つ象意が重なれば、ほぼ確実にその象意が現われてきます。
パーセンテージでいえば、原則ながら、1つだけだと30%、2つあれば70%、3つあればほぼ100%現われるといえます。

One-Point ◆ 「基本3数」を実際に展開する場合、3要素を何に設定するかということがポイントになります。国家を象わす3つのサイン(宮)の場合は、「民族性、国体、憲法(現体制)」です。これは基本3数の「時間、空間、人間(関係)」を、広く国家を構成する根本的な3要素に展開したものです。

●正しいハウスシステムはどれ?

右の本文に書いたことが理解できれば、正しいハウスシステムがどれかが分かります。
MC(南中点)やASC(上昇点)の設定が正しいことが第一です。
次に、各ハウス(室)が空間的に区分されているかどうかが重要です。
具体的にどれということまでは、皆様のご自由なので述べません。
ただ、日本で主流だったのは、プラシーダス・ハウスシステムでした。
それだと高緯度の場合、ハウス(室)が偏るからという理由で、コッホ・ハウスシステムを使う人が増えています。
選択の理由(基準)がおかしいと思いません?
ハウス(室)が偏るのが誤まりや間違いであるなら、イコール・ハウスシステムを使えばいいのです。
ハウス(室)の偏りということが、正しいハウスシステムの選択基準とはなりえません。

《 ホロスコープも基本3数で成り立っている 》

結局、宇宙太陽系を写し取ったホロスコープも、宇宙存在世界と同じように「時間、空間、人間(関係)」の基本3数によって成り立っています。
ホロスコープを作成する出生データからして、「時間、空間、人間(関係)」の基本3数です。
「出生データ」の基本3数
1数:時間…………出生時間
2数:空間…………出 生 地
3数:人間(関係)…本人(出来事)
これらが基本3数と同じであることは、説明の必要がないでしょう。
私たちの宇宙存在世界は基本3数から成り立っているために、宇宙太陽系を写し取ったホロスコープの作成においても、「時間、空間、人間(関係)」の基本3数に基づくデータが必要になります。
また、ホロスコープに配される「占星要素」も基本3数です。
「占星要素」の基本3数
1数:時間…………サイン(宮)
2数:空間…………ハウス(室)
3数:人間(関係)…星(アスペクト)
簡単にご説明しておきましょう。
サイン(宮)が「時間」なのは、12サイン(宮)が成り立つ基点をみれば明らかです。
ご存じのように、12サイン(宮)というのは、春分点を基点に均等に30度ずつ12等分に定められています。
春分点を牡羊宮の0度として、12サイン(宮)が順番に成り立つのであって、間違っても空間的な星座のおひつじ座が基準ではないことは、もはや常識です。
春分点というのは、黄道と天の赤道の交点の一つで、季節(時間)の基準となっています。春分点によって、1年という期間(時間)が定められているのです。
サイン(宮)は、その春分点を基点としているために、「時間」によって12区分されたものなのです。
このことが分かれば、12サイン(宮)は「意志」に基づく12種類の象意を持つことがみえてきます。
次に、ハウス(室)が「空間」なのは、たとえば出生地などからみて、天頂側(MC=Medium Coeli=メディウム・コエリ:南中点)と、東の水平線(ASC=Ascendant=アセンダント:上昇点)という空間位置を基準に12区分されているのが、本来のハウス(室)だからです。
西洋占星術には、100種類近いハウスシステムがあって、どれを使うべきか混迷しています。結論的にいえば、原則としてですが、空間区分に基づくものが正しいハウスシステムです。
最後に、星やアスペクトが「人間(関係性)」なのは、説明におよばないでしょう。
占星要素の中で、星は唯一の実体存在で、単体で動き、アスペクトという関係性を持ちます。
同様に、人間も実体で、単体で動き、さまざまな関係性をなしています。関係性というのは、占星要素でいえばアスペクト(位相や座相=局面)になります。
ドラゴンヘッドといった実体を持たない占星点(Astrological Point=アストロロジカル・ポイント)も、星と同様に扱われることがありますが、それにはちゃんと意味や理由があります。

One-Point ◆ ここに書いたことは、『西洋占星術と宝瓶宮占星学によるホロスコープ・リーディング入門講座』をご一読された方には、おおむね既知の事柄でしょう。皆様には、このページでさらにご理解を深めていただきたいと存じます。


●牡牛宮は「対象性を持つ実体」

牡牛宮は、単に物質的なものだけに共鳴するサイン(宮)ではありません。
「空間」を構成する実体は、実は「対象性を持つ実体」であることを知れば、より詳しく牡牛宮の象意を理解することができます。
どちらかというと、自分を対象におき、場合によってはどこか「不足感」を、それゆえに抱きやすいのも、また牡牛宮の対象性の象われです。
「空間」が「対象性を持つ実体」というのは、宝瓶宮占星学の基礎理論の一つである「数理法則」から導かれます。

《 12サイン(宮)や12ハウス(室)の基本3数展開 》

さらにホロスコープをみてみましょう。
ホロスコープでは、サイン(宮)やハウス(室)は、12区分されています。
この12サイン(宮)や12ハウス(室)も、無意味に配置されたものではなく、基本3数によって象意展開されて、12の位置に配置されたものです。
簡単にいえば、3つのカテゴリーによって、12の象意に3数展開されています。
そのうちの一つの一部を簡単にご紹介しておきます。
サイン(宮)やハウス(室)は、1〜12へと順番のカテゴリーがあります。
順番以外にも基本3数によって展開されるカテゴリーがあるのですが、ここでは一例として順番によるカテゴリーの基本3数展開で、その一部をご紹介いたします。
順番による12区分は、1数=1〜3、2数=4〜6、3数=7〜12の基本3数によって象意展開され配置されたものです。
最初の1〜3の配置は、基本3数の中では、1数=時間(意志要素)に相当し、なおかつその1〜3の配置は、さらに基本3数に相当する象意を持ちます。
ホロスコープの中でこれに該当するサイン(宮)は、春分点に始まる最初の3つのサイン(宮)、すなわち、牡羊宮、牡牛宮、双子宮です。
1数=時間に相当する基本3数サイン(宮)
1数:時間…………牡羊宮=意志要素
2数:空間…………牡牛宮=実体要素
3数:人間(関係)…双子宮=関係要素
簡単にご説明しておきます。
牡羊宮は、大きな1数=時間の中で、さらに1数の「時間」に該当し、象意展開されたものです。
牡羊宮の象意を持つ人が、たとえば、ときにスピードマニアだったり、行列に並んで待つのがキライだったり、瞬間的な意志の現われである衝動性を持っているのは、「時間」に共鳴し、「意志要素」に関わる象意を強く持つためです。
また、白羊宮(牡羊宮)時代の古代オリエント占星学が、季節(時間)を知るために発達したのも、その現われです。
当時のカルデア人たちは、カレンダー(暦)の基礎を築き、「時の見張り番(ホロスコポス)」と呼ばれましたが、それがホロスコープの語源になったことからも、牡羊宮は「時間」に関わる象意を持つことが、ご理解できるでしょう。
次に、牡牛宮が「空間」なのは、「空間」が実体や存在によって構成されていることをみれば、牡牛宮の象意をご存じの方なら、すぐにピンとくるはずです。
牡牛宮は、衣食住など現実生活の安定に最も関心を持つサイン(宮)ですが、それは物心交流のうち「空間」を構成する物質存在と共鳴し、肉体的な五感を大事にするサイン(宮)であるからです。
最後に、双子宮が「人間(関係)」なのは、説明する必要がありません。
3数の「人間(関係)」を、双子宮の象意である「知識(コミュニケーション)」と置き換えれば、人間最大の特徴を象わしていることは明白です。
なぜなら、「知識」のもとである知性や、先に「共鳴−潜在世界と人の心」にも書いたように、最も多くの存在や概念とコミュニケーションできる関係性を持つのが、人間だからです。
以上は、ほんの一例です。
サイン(宮)やハウス(室)の12区分でさえ、「基本3数」に基づいて配置され、いろんな象意に展開されていることが、少しでもご推察いただければと思います。

One-Point ◆ ホロスコープが宇宙存在世界と同じように、「基本3数」によって展開されていることをご理解いただければよいので、以上に留めておきます。ホロスコープ自体がこのように3数展開されているために、どれか一つだけではなく、最低3数(基本3数)に基づく複合的な解釈や、共鳴リーディングを行なうことで、より正しい現実的な解釈に近づくことができます。


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